スマホで加速 「O2O」の威力
[シダックス]時限クーポンで売り上げ増、2次会需要を取り込む
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121121/439014/

 

んっ? どうやら東京テレメッセージの「020」ではないようです。「O2O」(オー・ツー・オー)……。最近流行りの「Online To Offline」の略語で、「オンラインとオフラインの購買活動が連携し合う、または、オンラインでの活動が実店舗などでの購買に影響をおよぼす、といった意味」(IT用語辞典「BINARY」さん)のアレですね。

 

すべてのメディアは何らかの影響をユーザーに与えることを目的としています。クーポンを含めた広告メディアの目的は、購買行動を後押しすること。「O2O」をスーパーのチラシに当てはめれば「C2S」(Chirashi To Super)とか、いろいろな呼び方ができそうです。キャバクラの呼び込みなら「Y2B」(Yobikomi To Bottle)とか。「だからなに?」と問われても、何もお答えできずに申し訳ありません。ま、「B2B」とか「B2C」だって似たようなもんに違いありません。

 

さて、シダックスのクーポンは、「ハッピーアワー」の亜種とも言えます。ハッピーアワーが稼働率の低い時間帯の稼働率向上を狙ったサービスなのに対して、このクーポンは単価の高い時間帯の顧客を囲い込もうという狙いのようです。

 

特徴は、スマホのGPS機能を連動させていること。使ってみると、結構よくできていて画面の最下部に候補店のクーポンバナーが掲出されます。バナーにタッチすると詳細画面が大きく表示されて、店舗やクーポンの詳細がわかるという仕組み。

 

大変素晴らしい! とも思いますが、都内ではシダックスの店舗があるのは、新宿や渋谷といったターミナル駅ばかり。繁華街なので、競合のカラオケ店も多く、シダックスのみが検索できるアプリにどれくらい意味があるのか、ユーザー目線だとイマイチわかりません。

 

自社では無理でしょうが、どこかのアプリ会社に話を持ち込んで、全カラオケ業界を巻き込んだ上で、「半径500m以内に、当店より安い店やクーポンがあったら、さらにお値引きします!」とかいう量販カメラ店的手法に乗り出してみたりすると、より話題になったんじゃないかとか、実現確度も考えない提案もしてみたいところです。ダメ元でゴール前にボールを放り込むと、何かいいことがあるかもしれません。2004年7月10日に横浜FCのGKだった菅野選手だって、88mのロングシュートを決めています。
https://www.youtube.com/watch?v=6ZXcFUPQLYk

 

ところで、このクーポンは何のため、誰のためのものなんでしょうか。開発&リリースサイドの本当の狙いを考えてみます。

 

・(本気で)忘年会の2次会需要狙い
2次会利用狙いとなると、都市部がターゲットだと思いますが、検索できるのはシダックスの店舗だけで、同業他社との比較ができません。価格コンシャスな僕の友達の田中くん(仮)を説得するだけの材料になりえません。本気でこの線を狙ったわけではないことを願ってやみません。

 

・シダックスファンへのインセンティブ付与
時限クーポン≒期間限定クーポンはクーポン専門業者も発行しています。ただ、自社サイト内での発行なら、スピーディにきめ細かい設定ができるメリットはあるでしょうし、ファンづくり、顧客の囲い込みという意味でも一定の効果は見込めるでしょう。

 

・新サービス自体がプロモーションの一環
決め手はこれでしょうか。年末に向けて、「カラオケならシダックス」と印象づけられる安定、安全、安心の手法です。クーポンからの予約も一定数は見込めるでしょうし、ニュースとして多少の話題にもなる。効果に疑念を提示されたときの回答も「やらなければ、もっと落ち込んでた」でOK。仮定の事実にはお答えできませんってことで。

 

類似業態で、スマホアプリをリリースしているのは、いまのところ郊外型複合エンタメ施設(?)の「ROUND1」くらい。いまのところ、「カラオケ館」、「歌広場」、「Bagus」など、都心のカラオケ店は独自アプリをリリースしていないようです。

 

僕もスマホにシダックスアプリを入れたので、この年末に使う機会があるかもしれません。もっとも実際に「2次会」となったら、Google Mapからキーワード「カラオケ」で検索をかけて、次々に電話をかけるような気がします。この時期の2次会には、「すぐ入れることが最優先」だという周囲からのプレッシャーだってありますし、Google Map経由でもHot Pepperのクーポンが探せます。もちろん電話をかける際の、局番は「020」じゃありません。ていうか、この手の言葉を使うとロクでもないプランがそれなりに見えてしまい、あとで泣きそうなほど後悔するお姿を見て、もらい泣きしそうになるので、くれぐれも「020」などという言葉はお使いにならないことを全力でおすすめします。