ご当地ナンバープレートを要望する声は日本各地から上がっていますが、僕としてはむやみにナンバープレートを増やすのには反対です。百歩譲ってご当地ナンバーを増やすとしても、それをクルマに付けるか付けないかは個人の自由にしていただきたい。

 

ところが、国土交通省が定めた決まりでは「新たな地域名表示ナンバープレートは、従来の自動車検査登録事務所の新設に伴う新たな地域名表示の導入と同様、希望者だけでなく当該地域内に使用の本拠の位置を有する全ての自動車に付与することとする」となっています。つまり、好むと好まざるとに関わらず、ご当地ナンバー対象地域に住んでいる人は、すべからくご当地ナンバーを付けなければならない。これはプライバシー保護の観点からいって大きな問題です。極端な話、現在の「品川」やら「横浜」やら、そういった大括りの地域表示もない方がいいと私は考えています。

 

道を歩いているとき、自分がどこに住んでいるかがわかるステッカーやワッペンを服に付けている人などいません。ではなぜ、クルマに乗るときだけは自分の住んでいる地域を晒さなければならないのでしょう? 約200万台ともっとも多い名古屋ナンバーでも「ああ、あの人名古屋の人なのね」と。こんなことはクルマ以外にはあり得ません。ましてや2006年導入のご当地ナンバーである鈴鹿ナンバー(旧三重)は約20万台。これはもうかなりピンポイントな個人情報になり得ます。

 

もちろん、交通事故や犯罪などに対処するため、ナンバープレートには優れた判読性と判別性が必要です。ただ、それと居住地名とは別の話。判読性と判別性が論点なら地名とは別の方法を考えればいい。そんな観点から言えば、いま話題になっている「世田谷」とか「杉並」なども、プライバシーを守りたい人にとっては迷惑以外の何物でもありません。