ここ最近、総合スーパーの業績が冴えません。

大手のセブン&アイ・ホールディングスとイオンは、上半期のそれぞれの本業の儲けが1,472億円と707億円と前年比マイナス成長を記録。

 

これまで総合スーパーはモノがあまりなかった時代に何でも安く揃うと多くの消費者に支持されてきましたが、価値観が多様化した現代では「何でもあるけど、(欲しいものが)何にもない」ということで、ネット通販などに押され、どんどん市場が縮小してきたのです。

 

このような業績が徐々に悪化する中で総合スーパーは危機感を強め、新たな取り組みを始めています。

それが“専門店化”です。

 

セブン&アイ・ホールディングスでは、傘下のイトーヨーカ堂の店舗で、PBのファッション専門店の出店を推進し、従来のスーパーとは一線を画すきめ細やかな接客で売上増を図っています。

 

また、イオンは“総合スーパーを概念を変える”という意気込みで様々な専門店を展開しています。花の専門店からパンの専門店、自転車の専門店、お酒の専門店に至るまで様々な分野で専門店化を推進。従来のスーパーの中だけでなく、商店街に個別に出店するなど専門店化事業を加速させています。

 

これら、総合スーパーの専門店化の背景は、ボストンコンサルティンググループが考案したアドバンテージマトリクスで説明することができます。

 

アドバンテージマトリクスとは、「業界の競争要因の数」と「優位性構築の可能性」によって事業を4つのタイプに分類し、特徴を事業規模と収益性の関係から説明したフレームワークです。

 

アドバンテージマトリクスでは、事業規模を大きくできない分散型事業、規模の拡大が高い収益性に繋がる規模型事業、規模と収益力にはあまり関係性が見られない特化型事業、すべての企業が収益を上げられない手詰まり型事業に分類していきます。

 

そして、戦略的に分散型企業で収益が上げられなくなったら規模型事業へ、そして規模型事業で収益をを上げられなくなったら特化型事業へと移行することによって高い収益力を維持することが可能になるのです。

 

たとえば、外食産業において、まずは分散型事業として1店舗でレストランをスタートさせたとしましょう。シェフの作る料理が評判を呼び連日多くのお客様が訪れるようになっても、シェフは一人しかいないので、事業を拡大することはできません。そこで、料理のレシピを作成して標準化し、誰にでも同じ味が出せるようになれば、ファミリーレストランのようなフランチャイズチェーン展開など、規模型事業に移行することができます。

 

規模型事業で様々な料理を手頃な価格で提供するファミリーレストランも、かつての最大手のすかいらーくが今では1店舗もなくなったように飽きられれば収益力は急減します。

 

そこで、お寿司やステーキ、中華など特化型事業として専門店化することにより、再び顧客の個別のニーズに応えて成長軌道に乗せることができるのです。

 

同じように、スーパーも元々は街の酒屋からスタートして、何でも揃う総合スーパーへと進化を続けてきましたが、規模型事業に陰りが見えれば、専門店化してきめ細やかに顧客のニーズに対応していくことによって再度成長軌道に乗ることができるというわけです。

 

このようなアドバンテージマトリクスは、スーパーや外食産業だけでなく、幅広い業界で活用することができます。

 

自社が成長の壁に悩んでいる場合は、現状をブレークスルーするためにアドバンテージマトリクスを利用して現状のステージを把握し、次のステージに移る戦略を組み立てていけば、再び成長軌道に乗る確率も高まることでしょう。

 

◎ アドバンテージマトリクス
アドバンテージマトリクスについてもっと知りたい方は、オールアバウトの記事『家電量販店戦争でヤマダ電機が仕掛ける次の一手とは?』をお読み下さい!

⇒ http://allabout.co.jp/gm/gc/313391/2/

(家電量販店にも専門店化の波が押し寄せているということですね・・・)