東進ハイスクールの林修先生。今や、どの広告キャラクターよりも人気の広告キャラクターだ。もともとは、先生をしている東進ハイスクールの広告に、他の先生と同じように出ていたのがきっかけだ。そこで出たのが、今年の流行語大賞候補とも言われる「いつやるの?」「今でしょ!」というセリフだ。

 

私は最初に見た時点で、このセリフは流行ると感じた。その他の先生も、インパクトのあるセリフではあるが、林先生のセリフが流行るには明確な理由がある。

 

・世間一般に通用する言葉

・停滞した時代の空気を変えたい、国民の意識と一致

・短く、インパクトのあるセリフ

 

東進ハイスクールのCMでのブレイクから、林先生のCM出演が相次いだ。

トヨタ自動車
HIS

など大手企業がこぞって林先生を起用した。もちろん、そのCMの中には、あのセリフが入っている。トヨタであれば「いつ買うの?」「今でしょ!」となり、HIS「いつ行くの?」「今でしょ」となっている。その後、CMを開始したのがロッテのガムだ。ロッテはパロディが入っている。

ロッテ

 

■「CMの集中効果と擦り切れ効果」も関係無し

通常、あるタレントや俳優が複数の企業のCMに出ると、ある一つのCMの印象だけが残りやすいという結果がある。もっとも多くの露出量がある企業のCMが圧倒的に消費者に認知される傾向にある。

 

また、あるタレントや俳優が同時期に数多くのCMに出演すると、すり減り効果と呼ばれるマイナスも発生する。すり減り効果とは、消費者に飽きられたり、出過ぎのために嫌がられたりして、本来持っていたキャラクター価値以下のものしか発揮出来ない状況に陥ることだ。

 

■子どもの間で流行っていることが長期人気の証明。

林先生の場合には、まだどちらのマイナス効果も出ていないようだ。その理由はいくつかある。

 

一つは、露出総量がまだ消費者の許容範囲を超えていないこと。もう一つは、そもそも林先生のセリフのインパクトが相当強いということだ。広告業界では、子どもの間で流行言葉になったら強いということがよく言われる。林先生の言葉は、まさに子どもの間でも流行しているのだ。

 

子どもの流行は、大人に流行る前に来る。林先生の場合には同時にやって来た。流行は半年程度が賞味期限だ。おそらく秋までは、林先生の強さは続くだろう。

 

■まとめ
人気があるからと言って、むやみに有名なタレントや俳優をCMキャラクターとして起用するべきではない。なぜなら、他のCMに埋もれてしまうからだ。もし起用するなら、同時に起用している他企業のCM以上の圧倒的な露出量が見込める場合だ。そうでなければ、高い費用だけかけて、あまり効果が出なかったという結果になるだろう。それであれば、他企業が同時に起用していないタレントか俳優を起用して、表現を工夫する方が有効だ。

 

最後に、林先生のCMに関する私見。

 

やはり言わされているセリフよりも、心の底から出て来る言葉は強い。トヨタやHISのような「いつやるの?」「今でしょ!」よりも、東進ハイスクールの「いつやるの?」「今でしょ!」の方が迫って来るものがある。本音の言葉以上に強いコピーは無い。ロッテは、そのあたりをわかっていて、あえてパロディにしたのではないかと考えられる。