ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q : 12年のオープニング興収トップに 「海猿」上回る

当初このニュースを聞いて「人気にはなるだろうけど、そこまで動員力ある?」とやや怪訝な顔をしていた僕が船舶……いえ、浅薄でした。

「あれはなんだ?」という難解なコミュニケーションをファンに突きつけた結果、「次作はどうなるんだ」という期待感を煽り、噂が周囲に伝播していく。まだ 見ていないので、内容についてはなんとも言えませんが、もともと強固なファンがいるからこそ、許される手法と言えるでしょうか。1980年代のジャパニー ズヘヴィ・メタルの雄、Loudnessや、E・Z・Oが全米進出に際して制作したアルバムで「売れ筋を狙ってアメリカナイズされてしまった」と一部から 批判を浴びたのとはわけが違います。

早くも話が横道に逸れてしまいましたが、話はさらに横道に進みます。外食産業で、快進撃を続けるapカンパニー――。「塚田農場」などの飲食店ブランドを 持ち、9月には東証マザーズに上場。10月には海外にも初出店という、いまどき飲食業においては珍しいイケイケさんです。看板的な業態でもある「塚田農 場」さんを例にコミュニケーションの部分をちょっと考えてみたいと思います。

・ファン心理のロードマップ化
ヱヴァ:会報誌/Webで新作告知→マンガ誌での連載→キャラ・舞台設定公開→ファンイベントで作品限定公開→本放送(この間、約1年半)
塚:来店するともらえる名刺のようなカードをもらえ、「役職」がつく。次回来店時、指定の一品無料、半年間無断欠勤だとリストラ。

<共通項>
共感を訴えかける形でのファン獲得。ファン心理は一日にしてならず。共感を伴いながら、時間をかけて育てていくもの。
 

・ゆるやかな顧客管理
塚:サービスとサプライズによるファンづくりに徹し、一定の共感を得られたタイミングでケータイにシールを貼ってもらう。
ヱヴァ:版権管理がゆるやか。ウェブ上にある一部画像の部分使用をファンにも許諾し、共感を呼び起こす。
<共通項>
獲得したファンによる、周辺への話題伝播。話したくなるような種をリリースやコンテンツのなかに蒔いておく。

 

・キャッチーで良質な「素材/ブランド」の「活用/起用」
塚:近年評価を上げている、宮崎地鶏「じとっこ」などを使用したメニューづくり。
エヴァ:「超時空要塞マクロス」などを制作した「庵野秀明作品」を打ち出すことで、良質感を強調。
<共通項>

提供するもののクオリティは大前提。あのね。好みはさておき、発信者自身が自信を持って世に出せるものを本気で作るというのは、大前提なわけです。

いずれも当たり前に見えることばかりですが、実はこうした仕組みを狙って作るというのは、結構大変なことだったりします。その面倒と向き合い、作りこみ、やり切ることができるか。最後の最後は実際の運用で踏ん張れるかというところにかかっていたりするわけですが。