次期内閣の首相の有力候補、自民党の安倍晋三総裁と日本銀行の白川総裁との間で、日銀の金融政策を巡って論争が起こっています。安倍総裁は、日本経済でデフレが長引く原因として、物価上昇に転換させるためのインフレ目標を2%や3%に高く設定するべきと言います。白川総裁は、1%以上は難しいと言います。

  安倍総裁は、もっと景気を刺激するために金融緩和を求めますし、白川総裁は日銀の独立性を保ちながら十分行っていると言います。バブル経済が崩壊した1990年代以降、日銀に対して、景気を刺激する政策を自民党政権は求め続けてきています。日銀もゼロ金利政策など、小出しの慎重な政策で対応し続けてはいます。

 

 こんなやり取りをしながら、デフレ経済は15年も続いています。金融には素人のわたしですが、そろそろ日銀の金融政策によってデフレを脱却したり、日本経済を上向かせることが難しいことに、気付いてもよさそうなものと思います。問題なのは、金融政策ではなく、実体経済において需要が伸びないことにあります。

 

 何故需要が伸びないか、消費者や会社がお金を使わないからです。お金を使うようにするためには、経済改革を行って会社が新規事業に参入したり、個人が起業をしやすくすることです。現在、再生可能エネルギーを作り出すビジネスにおいては、太陽光発電にしろ、風力発電にしろ、企業投資が大きく伸びています。

 

 再生可能エネルギーでのビジネスが可能になっているのは、原発事故が起こったことで、仕方なく新たな電力を生む仕組みが必要になったためです。原発事故がなかったら、こんな大きなビジネスにはなりませんでした。わが国には、絶えず新たな企業や人間、イノベーションを導入して、社会を活性化させようとする仕組みが欠けています。

 

 わが国の景気をよくするため、日銀に頼っていてはいつまでもデフレからは抜け出せません。自民党も民主党も、需要を高めるための地道な努力をしないで、金利政策による一時的な効果を狙っています。現在の有力政治家を見渡して、会社経営やサラリーマン経験のある人が、ほとんどいないことに気付きました。彼らにデフレ脱却は無理です。

 

【一言】
  その昔、自民党が日本経済を成長させ、一党支配を謳歌した時代なら、公共事業に公的資金をつぎ込んで、経済建て直しが可能でした。今は、公的資金は底をつき、公共事業を行っても、そのメンテナンスの費用を負担することさえ難しい時代です。官僚を押さえつける指導者と、経済改革と成長路線を突き進む指導者の、二人による国家の指導体制を考えることもありの時代です。