米国癌学会疫学研究プログラムの副会長Susan M. Gapstur博士は、次のようなコメントを出しています。「この臨床試験は非常によく設計され、毎日のマルチビタミン剤の内服が50歳以上の非喫煙男性のがんリスクを多少減らすことを明らかにしました。ただし、これはあくまで研究の一つであって、今回の結果を確固たる結論と判断する前に、今後、同じような結果が他の研究や他の集団でも再現できるか。女性や喫煙者でどうかはわかりません。さらなる研究が必要です」

 

 これまでにも、1種類または複数のビタミン剤の長期にわたる服用で、がんを予防できるかどうか調べた大規模無作為化試験は、あるにはありました。しかし、ほとんどは、「ビタミン剤の内服によって、プラセボを摂取した人よりもがんになる可能性が低くなることはなかった」という結論に至っています。ビタミン剤を服用している人のほうがより多くのがんを発症したケースも複数報告されています。がん予防のためのビタミンとミネラルの補給が混合されている研究もありました。また、いくつかの研究では、個々の栄養素の有害性が示されています。

 

 今回の研究で使用したマルチビタミン剤は、以前の研究で使用されたものよりも、少ない用量でより豊富な栄養素を含んでいます。これまでアメリカ癌学会は、健康的な食事からの栄養摂取を推奨してきました。サプリメントを摂る場合も、バランスのとれたマルチビタミン/ミネラル剤であること、また、ほとんどの栄養素について一日必要量以上に摂取しないよう推奨しています。今回の研究結果は、そのガイドラインへの新たな追加情報となると考えられます。