11月7日の読売新聞のニュースに、「今春卒業した大学生約56万人について、同じ約56万人分の正社員の求人があったものの、約20万人が正社員として就職していなかったことが6日、内閣府の推計で分かった。」という記事がありました。

 「根強い大企業志向…学生20万人、中小にソッポ」

 

「なぜ大学生が大企業志望なのか?」
平成14年度採用に向け就職活動を始めている大学3年生に聞いてみたところ、以下のような回答を得ました。

 

①倒産の可能性が低い

 

 中小企業の倒産リスクは大企業以上に高いと思われているようですが、大企業でも破綻する時代です。大企業なら安心とは言えません。

 会社の財務諸表を見たり、債券の格付けを確認したり、上場企業なら株価の動向を調べたり、業界動向や会社政策なども調べて将来性も判断して就職先を考えてほしいところです。

 

②有名な就職サイトは主に大企業を扱っているため、中小企業の情報を手にいれるのは難しい

 

 就職サイトや就職情報が大企業に偏っていて中小企業の情報が少ないとのことです。学生の期待と大企業の要請に応えるために情報が偏る傾向があるのではないかと思います。

 

 また多くの学生が就活マニュアル本などを活用しているようですが、企業の採用担当者もマニュアル本を読んでマニュアル通りの学生を見極めていると聞いています。

 

 情報誌やマニュアル本を参考にしながらも自分の個性を出していく必要があると思います。
 情報収集では、地域に根差した中小企業などは都道府県からの情報や地元のハローワークなども活用すると良いと思います。

 

 私が住む栃木県でも、優秀な人材を採用したいと考えている地元企業が大学生の注目を集めるのに苦慮していると聞いてます。県も地元企業への様々な支援をしていますが、なかなか学生にうまく情報提供できていないとの声もあります。

 

③大企業の方が給与が高い。福利厚生がしっかりしている

 

 確かに大企業と中小企業間の賃金格差は大きく、福利厚生も一般的に大企業の方がしっかりしています。大企業の最大のメリットといえ、学生ができるだけ稼ぎたい、また福利厚生がしっかりした会社に就職したいという気持ちはよくわかります。

 

  ただ同じ仕事をして給与や福利厚生が違うというわけではありません。将来のライフスタイルもまったく違ってくるでしょう。会社にもよりますが、職場環境や 労働実態の違い、転勤や職種転換の有無、出世動向等々…大企業と中小企業では仕事の内容や生活が大きく異なります。自分がその会社で何をしたいのか?やり がいのある仕事か?どんな生活を営んでいきたいのか?を考えた場合、中小企業の方がやりがいが見つかりやすいということもあります。

 

給与や福利厚生の良し悪しだけでなく様々な観点から自分の職業観にマッチした仕事かどうか、を考え、ライフスタイルを思い描いて就職先を判断していくことも大切だと思います。

 

④企業名が有名なほうがいい。大手で働いていることを自慢できる

 

 ブランドイメージを重視したい考え方も理解できます。自分自身が社会的にどう評価されるかどうかという一つの尺度になると思います。しかし大企業の社員も千差万別、常に自己研鑚を怠らない姿勢が自分自身のブランドを高めるものだと思います。

 

 現役の大学生の気持ちは、今も昔もあまり変わってはいないと感じました。私自身は80年代後半のバブル期に大企業と言われる保険会社に就職しましたが、自分の学生時代の気持ちも同じようなものでした。

ただ時代背景はまったく異なっています。少子化の一方で大学進学率はどんどん高くなり、大卒人口は増えています。そして就職先となる企業の求人数は、長期間景気が低迷する中積極的な採用は控えられている傾向が続いています。

 

 少子化が進み今後大学は淘汰されていくと言われる中で、大学としてはいかに就職率を高くし大企業への就職者数をいかに増やすかを競っているようにも思えます。
苦労して大企業に就職したにも関わらず離職してしまう若い社員も多いと言われています。

 

  大学や行政が、学生と企業のミスマッチを解消できるよう偏りのない情報の提供と学生を指導をしていくとともに、二人に一人以上の若者が大学に進学する時代 に大学生の皆さんは深く職業観や自分の人生について考えて就活することが重要だと思います。大変厳しい時代ですが、大学生の皆さんには自分の道を見誤らず に選択してください。
皆様の就活の成功をお祈りいたします!!