60歳代の貯蓄額の中央値は1000万円で、不安は残る

ここで言う平均貯蓄額は、同調査の「金融商品の保有額」のことです。金融商品の保有額とは、預貯金、貯蓄性のある生命保険、債券や株式、投資信託、その他の金融商品の総合計。ただし、預貯金に関しては、日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分を除いた、「運用のため、または将来に備えて蓄えている部分」のみをカウントすることとしているため、銀行などの口座などに保有している金額のすべてではないことを、前置きとして付記しておきます。
 
二人以上世帯の平均貯蓄額は1430万円、中央値は609万円という結果になりました。そのうち金融資産を保有していると回答した人の平均貯蓄額は1887万円、中央値は1080万円となっています。
 
では、年代別では、どうなっているか見ていきましょう。
 

年代別・二人以上世帯の・金融資産保有額

年代別・二人以上世帯の・金融資産保有額


金融資産を保有していないと回答した人を含む全体の平均は1430万円ですが、20歳代では249万円、中央値では111万円。年代が上がるにつれ、貯蓄額は増え、30歳代で660万円、40歳で942万円、50歳代で1481万円となります。60歳代以降は、退職金のほか、住宅ローンが完済した、子どもの教育費負担がなくなったなど、支出が大幅に減った影響もあるでしょう。
 
ちなみに、二人以上世帯の集計数は3579世帯で、世帯主の平均年齢は58歳、手取り平均世帯年収は519万円(中央値450万円)ですので、全体の平均貯蓄額が多いと感じるのは、比較的、年齢が高めの層に引っ張られた格好になっているのでしょう。
 
金融資産を保有している世帯のみの集計では、平均貯蓄額が1234万円。年代が上がるにつれて貯蓄額が増えるのは同じで、20歳代で370万円、30歳代で810万円、40代で1238万円となります。ただし、それでも平均には届かず50歳代で1828万円という結果になります。
 
単身者世帯のデータと比較すると、すべての年代において貯蓄額は多いのですが、60歳代の貯蓄額を見ると、金融資産を保有していない世帯も含む集計で、中央値が1000万円。金融資産を保有している世帯でも1500万円という結果で、公的年金で不足する分を考えると、老後資金としては、やや不安が残る結果と言えるのはないでしょうか。
 

年収500万円~750万円未満で平均1536万円

では、年収別ではどうなっているでしょう。
 
サンプル数の少ない1000万円以上と、無収入、無回答の数値は参考程度に見ていただき、1000万円未満までの世帯年収別の貯蓄額を見てみましょう。
 

年収別・二人以上世帯の金融資産保有額

年収別・二人以上世帯の金融資産保有額


年収が高くなるほど、貯蓄額も増えていますが、平均年収の階層である500万~750万円未満の世帯では、金融資産を保有していない世帯も含めた平均貯蓄額は1536万円(中央値827万円)。金融資産保有世帯のみでは1769万円(中央値1000万円)で、全体の平均に近い数値となっています。
 
その上の、750万~1000万円未満の階層では、金融資産を保有していない世帯も含めた平均貯蓄は1937万円(中央値1201万円)、金融資産保有世帯のみでは2155万円(中央値1400万円)。このあたりの数値になると、実感を持てない人も少なくないかもしれませんが、よく老後には3000万円必要などと言われます。年収が高い層であっても、なかなか達成するのは、難しい目標額と言えるかもしれません。特に年収が高い層は、リタイア後も生活のレベルを下げたりすることができず、貯蓄はいくらあっても足りないという状況に陥りがちです。
 
当たり前のことですが、貯められるときを逃さず、きちんと貯めることが大事で、現在の年収からどれだけ貯蓄に回せるのか、もう一度チェックしてみてもいいのではないでしょうか。
 

貯蓄割合は現役世代では平均の8%以上

ボーナスも含めた年収から、どれだけ貯蓄に回しているかを示す貯蓄割合。金融資産を保有している世帯では、貯蓄割合の平均は8.0%でした。
 
年代別で見ると、20歳代が15.0%、30歳代は12.0%、40歳代が10.0%、50歳代で9.0%。60歳代以降は、7.0%、6.0%とさらに下がりますが、現役世代に限れば、平均の8%を上回っています。
 
二人以上世帯の場合、30歳以上になると借入金のある世帯が6割を超えています。また子どもが生まれれば子どもの教育費もかかるようになり、その分、貯蓄に回せる割合が少なくなるのでしょう。
 
お金の貯めどきは、「独身時代」、「結婚して子どもが生まれるまで」、「子育てが一段落、または子どもが独立してから定年退職する」までの3回あります。20歳代で世帯を持ったなら、今がお金の貯めどきです。子育て中であれば、子どもが学校に上がったら働き方を変えて収入増を図ることも考えましょう。定年退職まであと10年など先が見えてきたら、老後資金はあといくら必要なのか、何歳まで働くのかなどのイメージを持つことも必要です。
 
平均貯蓄額などを見て、我が家はどうなのか、これからどんな貯蓄プランにするのか、考えるきっかけにしてほしいと思います。