株を売るベストタイミングって、いつ?

先日「株を買うなら10月25日15時がベスト!?」という記事を書きました。すると、周囲から「今度は、売るときのベストタイミングを教えてよ!」とせがまれました。読者のあなたも、売りどきに悩んだことがあるのでは? そこで今回は、株を売るベストタイミングについてお話ししていきます。
 
前回と同様、世界の経済学者たちが発見した「株式市場の周期」をもとに、ベストな株の売りどきを割り出していきます。具体的には、「何月に株を売るべきか?」「何日に株を売るべきか?」「何時に株を売るべきか?」といった3点について、明確にします。
 

株を売るなら5月がベスト? 

ティルブルフ大学のBen Jacobsenらの研究(1)によると、株式市場は1年周期で値動きを繰り返しているようです。具体的には、「ハロウィン後の半年間は株価が上がりやすい」「5月からの半年間は株価が下がりやすい」という傾向が見つかっています。この傾向は、経済学者の間では「ハロウィン効果」「セルインメイ効果(5月に売れ効果)」と呼ばれています。
 
この傾向は日本株市場でも確認されておりまして、成蹊大学の俊野の研究(2)では、50年以上に亘ってこの周期があることが示唆されています。つまり、日本株は「11月くらいに一番安くなりやすい」「5月くらいに一番高くなりやすい」ということです。この点を踏まえると、株を売るベストな月は株価が最高値に近づく「5月」あたりだと言えるでしょう。
 

株を売るなら月初の祝日明けがベスト?

イリノイ大学のJosef Lakonishokらの研究(3)によると、株式市場には月単位、そして祝日ごとに値動きに傾向が見られるのだとか。この傾向は月単位の傾向は「月内効果」そして、祝日単位の傾向は「祝日効果」と呼ばれています。
 
日本株市場においての月内効果も進められています。ニッセイ基礎研究所の伊藤氏の調査(4)によると、日本株市場は月末に特に大きく値上がりする傾向が見られました。よって、株を安く買うなら「月末の少し前」が有利。そして、株を高く売るのであれば、「月初」が有利といえるでしょう。
 
また、個人的な研究として、「祝日の前後はどのような値動きをするのか?」について調べたことがありまして。大よそ、年末年始やゴールデン・ウィークといった大型連休の場合は、「休日前」に株価が安くなりがちで、「休日明け」に株価が高くなりやすい傾向があるようです。
 
よって、祝日効果を活かしたい場合は、株を安く買うなら「祝日前」が有利。そして、株を高く売るのであれば、「祝日明け」が有利と言えそうです。
 
これらの話をまとめると、株を売るベストなタイミングは「月初」で「祝日明け」だと言えそうです。 
 

株を売るなら朝9時がベスト?

南カリフォルニア大学のLawrence Harrisの研究(5)によると、株式市場は1日単位でも値動きのサイクルが確認されています。具体的には、「株式市場は夜間(取引時間外)に上がりやすく、昼間(取引時間中)に上がりにくい」ことが確認されています。
 
日本株市場の取引時間は朝9時から夕方15時の間です。よって、この話を日本株市場に当てはめると、「株価は朝9時に高値をつけやすい」「株価は夕方15時に安値をつけやすい」と言えるでしょう。
 
よって、日本株を売るベストな時間帯は、取引開始直後である「朝9時」であると言えそうです。
 

まとめ 

以上の話をまとめると、2019年の場合、株を売るなら「5月7日(ゴールデン・ウィーク明け)の朝9時」がベストだと考えられます。魅力的な投資先を見つけても、売りどきを見失うと、せっかくの利益が台無しになってしまうことがあります。これまで株の売りどきに困っていた方は、この記事の内容を参考にしてみてはいかがでしょう?
 
●参考文献
 

  1. 論文:Ben Jacobsen and Sven Bouman, 2002, "The Halloweeen Indicator, 'Sell in May and Go Away': Another Puzzle", American Economic Review, 92(5), pp. 1618-1635
  2. 論文:俊野雅司, 2017, “株式リターンの規則性”, 成蹊大学経済学部論集, 48(2), pp. 47-83
  3. 論文:Josef Lakonishok and Seymour Smidt, 1988, "Are Seasonal Anomalies Real? A Ninety-Year Perspective", The Review of Financial Studies, 1(4), pp. 403-425
  4. 調査:伊藤拓之, 2013, “投資の法則は変化したか?(4)―日米株式の写真相場から考える「曜日効果」・「月替り効果」アノマリー”, ニッセイ基礎研究所, 2018年9月30日時点
  5. 論文:Lawrence Harris, 1986, "A transaction data study of weekly and intradaily patterns in stock returns", Journal of Financial Economics, 16(1), pp. 99-117