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あなたの「エンプロイアビリティ」は?

企業が欲しがる能力=エンプロイアビリティを磨こう

キャリアプランニングの第一歩は、「自己分析」と「環境分析」ですが、特にキャリアアップやスキルアップのために転職や異動を考えているなら、「自己分析」でわかった自分の経験やスキル、これから伸ばしたい(伸ばすべき)スキル等と、「環境分析」で明確になった、目指す企業や職種において「求められるもの」とがマッチしていることが大切です。

そこで注目したいのが「エンプロイアビリティ」という考え方です。

employ(雇用する)とability(能力)を組み合わせた造語「エンプロイアビリティ(employability)」は、個人が「雇用され得る能力」という意味の経済学用語。
「雇用される」と聞くと、なにか「受け身」のような印象を持ちますが、反対に、自分を「高く売り込む」ための武器だと捉えれば、より主体的なキャリア形成に役立つ「カギ」であることがおわかりになるでしょう。


あなたのキャリアプランを踏まえた、より効率的なキャリアアップのために、「エンプロイアビリティ」について考えてみましょう。

「エンプロイアビリティ」とは何か

それでは、「エンプロイアビリティ」とは具体的には何を指すのでしょうか。
簡単に言えば、企業においてビジネスパーソンに求められる職業能力のこと。
その中身は
・特定の企業、業種内で通用する能力
・特定の企業、業種を問わず通用する能力
2つに分類することができます。

もちろん、ずっと同じ企業、業種、職種のみで働くことができれば良いのですが、現在の雇用情勢を考えると可能性は多いに越したことはありません。
そのためには、企業、業種、職種が変わっても活かせる「エンプロイアビリティ」をどれほど持っているかが重要になるのです。

一般的に考えられる「エンプロイアビリティ」の要素には以下の3つがあります。(厚生労働省による分類)

1.職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの
2.協調性、積極的等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性  や行動特性に係るもの
3.動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの

このうち、は個人的かつ潜在的なものなので、具体的・客観的に評価することは困難です。
そのため「エンプロイアビリティ」としては、まずは1と2を中心に考えるのが一般的です。

1と2に相当する「エンプロイアビリティ」には多種多様なものがありますが、ここでは
ハーバード大学教授のロバート・L・カッツ(Robert L. Katz)氏が提唱した「管理者に必要な3つのビジネススキル」の考え方をヒントに、以下3つのスキルに注目してみましょう。

1)テクニカルスキル(業務遂行能力)
特定の業務を正しく遂行するために必要な知識や経験のこと。
いわゆる「専門性」として、即戦力として評価されます。

2)ヒューマンスキル(対人関係能力)
良好な人間関係を構築し、目標達成のための円滑なコミュニケーションに欠かせないスキルです。具体的にはコミュニケーションスキル、リーダーシップ、提案力、交渉力、傾聴スキルなどのほか、多様性を重視する社会環境の中では、これに対する適応性なども含まれます。

3)コンセプチュアルスキル(概念化能力)
問題解決やビジョン設定などに必要とされる能力で、知識や情報を整理分析して総合的な情勢判断や政策決定を行う能力を指します。

具体的には論理思考力、問題解決力、応用力などが挙げられます。
3つの中でも、特に経営層に近づくほど求められる比重が高くなるスキルだと言われます。

 

あなたの「エンプロイアビリティ」を探る&磨くには

以上を踏まえて、あなたの「エンプロイアビリティ」を探る&磨くヒントをご紹介しておきましょう。

あなたのテクニカルスキルを探る&磨く
最もアピールしやすい「強み」なのに、自己分析ではつい見落としがちなのが、「この仕事なら知っていてあたりまえ、できてあたりまえ」の知識・技能。
しかし、これこそ、れっきとしたあなたの「エンプロイアビリティ」です。

まずはこれまでの経験を振り返って、当てはまるものを洗い出してみましょう。具体的には商品知識、製造技術、加工技術、ITスキル、高度な専門知識など。
その中でも、自社だけでなく他社・他業種でも応用可能なものは、より有用な「エンプロイアビリティ」と言えますす。

反対に未経験で挑戦したい職種や業種がある場合には、その仕事で必要とされる知識や技能を身に着ける必要があるでしょう。
技能は訓練によって開発・習得が可能。知識は学習・経験で身に付きます。その領域での資格取得も有効です。

あなたのヒューマンスキルを探る&磨く

職種や業種を超えて活かせるスキルですが、数値化や資格取得などで客観化するのが難しいスキルでもあります。

また、自分自身では案外的確につかみにくいのもこのスキル。
そこで、自分のヒューマンスキルを探るときには、過去の
「360度評価」の結果や周囲の人たちから言われた言葉など、他者の客観的な評価を参考にすると良いでしょう。アピール時にもそうした「評価」を用いると、より説得力を持ちます。

生まれ持った気質や環境に影響を受けて形成された性格まで変えようと思うと難しいですが、行動は変えることが可能です。
「慣れ」や意識の持ちようで、仕事だけでなく日常生活でも身に着けることができるスキルなので、
ディスカッションやプレゼンテーションの機会を増やしたり、相手のニーズや状況に応じた対応を心がけることから始めましょう。

あなたのコンセプチュアルスキルを探る&磨く

職種や業種を超えて活かせ、職位が高くなるほど重要度が上がるスキルですが、こちらも数値化できない分、成功事例をいかに積み上げていくかがアピールポイントです。

まずは、これまでの経験の中で、実際に職場のビジョン策定に関わったり、問題を発見して解決策を考えて実行した「成功体験」を思い出しましょう。
そこでは、課題発見能力、企画力、論理性、創造力など、あなたの様々な「エンプロイアビリティ」が発揮されていたはず。
発揮した自分の知識やスキルを踏まえて、具体的なエピソードを語れば、キャリアチェンジのケースでも効力を発揮します。