平成28年の寄附金受入額上位は都城市・伊那市・焼津市!

総務省ふるさと納税ポータルサイトの「平成29年度ふるさと納税に関する現況調査について」から、寄附金を多く受け入れている区市町村等(地方団体)の寄附金額や寄附件数、全国比等を表にまとめてみました。「寄附金額の対全国比」は全国の寄附金額に対する割合、「寄附件数の対全国比」は全国の寄附件数の対する割合、「寄附金額/件」は寄附金額を寄附件数で割って求めた1件あたりの寄附金額です。
 

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ふるさと納税の受入額が多い自治体


平成28年度に寄附金を最も多く集めたのは宮崎県都城市で、73億円にもなります。全国の都道府県および市町村等1788団体のトップです。都城市だけで全国の寄附金の2.58%も受け入れており、茨城県や大阪府、高知県等の全体の寄附金額と同水準です。寄附件数も53万人で全国1位、全国比で4.16%にもなり、25件に1件は都城市への寄附ということになります。

都城市の次に寄附金を集めたのは長野県伊那市の72億円で、都城市とは1億円しか差がありません。しかし、寄附件数は6万人で都城市の53万人とは大きな差があり、1件当たりの寄附金額は都城市の13,882円に対し、伊那市は121,940円にもなります。どちらも寄附に対する返礼品を沢山揃えていますが、揃え方が都城市は1万円程度の寄附を中心にしているのに対し、伊那市は少し高額の寄附を中心にしていることが大きく影響しているのでしょう。

3番目以降は静岡県焼津市、宮崎県都農町、佐賀県上峰町の順で、町が2つ入っています。上峰町のホームページを見ると、一般会計の予算が平成27年度37億円→平成28年度86億円→平成29年度109億円と急増していました。規模の小さい町にとっては、ふるさと納税が与える影響は相当大きいと言えます。

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長野県伊那市の寄附金受入額は全国2位


 

静岡県焼津市の寄附金額は3年で驚異の10万倍!

平成28年度の寄附金受入額が多かった10市町が、過去どのくらいの寄附金額を受け入れてきたのかが気になり、5年間の寄附金額の推移を確認してみました。

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ふるさと納税の受入額が多い自治体の寄附金額推移


全国の寄附金額はここ数年で急増しており、表の市町も同じような傾向にあります。例えば焼津市は、平成25年度に寄附金の受入額が5万円しかありませんでした。それが僅か3年で51億円へ10万倍にもなっています。

熊本市が急増しているのは、熊本地震からの復興を支援する目的で多くの人が寄附をしたからと考えられます。熊本市は受け入れた寄附金を熊本城の復旧・復元や、動植物園猛獣舎改修等に活用しています。


 

東日本大震災の復興支援にふるさと納税が貢献

平成20年度から平成28年度までの各年で、寄附金の受入額が多い区市町村等を10位まで表にしてみました。記載の数字は寄附金の受入額(単位:千円)で、薄い灰色は東京都の区市または大阪府・府内の市です。

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ふるさと納税の受入額が多い自治体(平成20年~28年度)


ふるさと納税は、育ててくれたふるさとへ税制を通じて貢献できる仕組みとして導入されましたが、最初の頃は意外にも都内の区市や政令指定都市等が寄附金を多く集めていて、都市から都市へ寄附金が動いているような状況でした。東京都府中市は3回も全国1位になっています。

ただ、平成23年度はランキングの顔ぶれがかなり違います。平成23年(2011年)3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し、宮城県や岩手県を中心に大きな被害を受けました。そして復興支援のために全国から被災地へふるさと納税を活用した寄附が沢山集まりました。ランキングでは釜石市(20.6億円)、相馬市(6.3億円)、岩手県(4.5億円)、福島県(2.6億円)、山元町(2.2億円)、宮城県(1.6億円)が震災に関連していると思われます。

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震災復興にふるさと納税が役立っている


 

平成27年の税制改正がふるさと納税の転換期

平成27年度の税制改正によってふるさと納税がより使いやすくなり、寄附金額や寄附件数が一気に増えました。平成27年度の主な改正点は次の2点です。

  • 原則として自己負担額2,000円を除いた全額が控除される限度額(ふるさと納税枠)が約2倍に拡充 ※平成27年1月1日以降の寄附から対象
  • ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設により確定申告が不要な給与所得者等の手続きが簡素化(5か所以内の寄附等要件有り)※平成27年4月1日以降の寄附から適用

平成27年度と28年度は都城市が2年連続で1位になっていますが、寄附金額が急増したことで2位以下は大きく変動しています。1位の寄附金額は4億→15億→42億→73億円と急増し、10位でも2億→5億→21億→33億円へ急増しています。その為、平成26年度に15億円で1位だった平戸市は翌年26億円へ大幅に増えましたが、順位は7位へ下がってしまいました。

多くの寄附金を受け入れた市町村等では、嬉しい悲鳴が上がっているはずです。予算が増えていろいろな事業を積極的に行えるようになり、返礼品を納入している業者も売り上げが増えて景気が良くなっていることでしょう。しかし、昨今の急増がブーム(バブル)だとしたら、去った後が心配です。ふるさと納税が持続していけるよう、全国の区市町村等には適度な競争を期待しましょう。

【関連サイト】
総務省ふるさと納税ポータルサイト