平均貯蓄額は1812万円で、5年ぶりの減少

2018年5月18日に総務省が発表した2017年の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」によると、二人世帯の平均貯蓄残高は1812万円。前年の1820万円から8万円、0.4%の減少となり、昨年まで4年連続の増加から5年ぶりの減少に転じました。

平均貯蓄額は、多額の貯蓄がある一部の層によって数値が引き上げられるため、実感値とは開きがあります。そのため、貯蓄ゼロの世帯を除いた貯蓄保有世帯を、貯蓄額の低いほうから順番に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する世帯の貯蓄額はいくらか、という「中央値」で見る必要があります。

今回の調査では、貯蓄額の中央値は、1074万円。前年の1064万円より10万円、0.9%の増加となりました。ちなみに、貯蓄ゼロの世帯も含めた中央値は1016万円で、前年より20万円の増加という結果になっています。
 

貯蓄現在高の推移(二人以上の世帯)

貯蓄現在高の推移(二人以上の世帯)


 

勤労者世帯の平均貯蓄額は1327万円で、28万円の大幅増

勤労者世帯のみ(高齢者など無職世帯、自営業・自由業世帯を除く)では、どうでしょうか。

平均貯蓄額は1327万円で、前年より28万円、2.2%の大幅な増加。貯蓄保有世帯の中央値は792万円で、前年から58万円もの増加となりました。貯蓄ゼロの世帯を含めた中央値は743万円で、こちらも前年から53万円の増加という結果でした。

勤労者世帯の平均年収は722万円で、前年の715万円から7万円増加しています。年収の伸び以上に貯蓄が増加しているわけですが、貯蓄の種類を見ると、通貨性預貯金と定期性預貯金が増加しており、有価証券は減少している状況から、運用による資産の増加ではなく、支出を減らし、結果的に普通預金口座に預けっぱなし、という構図も見て取れます。

貯蓄現在高の推移(二人以上世帯のうち勤労者世帯

貯蓄現在高の推移(二人以上世帯のうち勤労者世帯)


 

貯蓄100万円未満の世帯が10.0%も!

貯蓄残高の世帯分布を見てみましょう。

貯蓄現在高の世帯分布(二人以上の世帯)

貯蓄現在高の世帯分布(二人以上の世帯)


分布図を見てもわかるように、平均値と中央値には、かなり開きがあります。二人以上の全世帯では貯蓄額3000万円以上の世帯が18.7%で、平均を押し上げる結果となっており、平均値以下の世帯が約3分の2を占めています。

貯蓄現在高の世帯分布(二人以上世帯ののうち勤労者世帯

貯蓄現在高の世帯分布(二人以上世帯ののうち勤労者世帯)


勤労者世帯のみの分布図でも、考え方は同じです。3000万円以上の世帯が11.1%と多く、平均値以下の世帯が、やはり約3分の2を占めています。

ここで注目すべきなのは、貯蓄が100万円未満の世帯が、全世帯で10.0%(前年10.5%)、勤労者世帯で11.8%(12.8%)であるということです。いずれも前年、一昨年から減ってきてはいますが、調査全体の1割以上の人が、貯蓄100万円未満というのは、かなり厳しい結果と言わざるをえません。

この調査は、全国から抽出した約8000世帯を対象にしたものですから、地域性や年齢、職種などさまざまな事情を考慮すると、また違った結果にもなるかもしれません。しかし全国での平均値や中央値を知ることで、今現在、自分が置かれている状況と比較し、無駄に悲観的になるのではなく、どうしたら貯蓄を増やせるのか、いくら貯蓄したほうがいいのかと、考える基準になるのではないでしょうか。

貯蓄100万円未満の世帯の中には、年齢の若い世帯も含まれ、なかなか貯蓄できない、という世帯もあるでしょう。しかし、ある一定の年齢になっても貯蓄が100万円に満たないという世帯は、収入が少なすぎるのか、支出が多すぎるのか、こうしたことを見直していく必要があるでしょう。