若い年齢でも重度歯周病まで進行してしまう原因は?

歯周病と歯の根の関係

歯の根の長さが短い歯から抜歯になる傾向がある


最近はメディアなどで歯周病の症状や予防法についての情報も普及してきたためか、重度歯周病は減少傾向です。それでも臨床の現場では、まだまだ進行した歯周病の患者さんに出会うことがあります。しかも20代、30代といった若い年齢で重度歯周病になってしまうケースは無視できません。治療開始後に重度歯周病の患者さんが悔やまれることの多い「これが失敗だった……」という経験談で多いものをまとめてご紹介します。


 

自己判断で「まだ軽度ですぐ治る」と思い込んでいた

歯周病症状を自覚しつつも、軽く考えていたのが失敗だった、というのはとてもよく聞く話です。自分が歯周病であるという認識はあるものの、患者さん自身の自己診断は、歯科医師の実際の診断よりも楽観的になっていることが少なくありません。そのため重度歯周病を、まだまだ軽度な状態と誤認して本格的な治療開始が遅れてしまうのです。

インターネットで情報を集めている方でも、まるで奇跡のレアケースをつなぎ合わせたような楽観的診断を繰り返し、かなり重度になっていても、軽度~中程度の歯周病だと考えていることもよくいらっしゃいます。

そのためすでに手遅れで抜歯しなければならないほどの状態になって初めて来院したのにも関わらず、治療方法も簡単な歯石取りとブラッシングですぐに改善すると考えていることもあります。痛みやグラつきが起こり始める前のギリギリまで、症状で進行度を完全に把握することは、難しいため注意が必要です。


 

つらい腫れや痛みが自然と治り、受診を見送ってしまった

歯周病はいきなり重度になるケースは、ほとんどありません。多くの場合、軽度の時の腫れや違和感などの症状が繰り返します。そのため症状が改善するたびに我慢できる範囲に収まったため、本格的治療をスルーしているケースです。

そのほかにも歯ぐきが腫れるのは、体調が悪かったから考えて、体調が良くなれば歯ぐきも治ると思っている人もいます。確かに歯周病菌から防衛反応は、体調に影響されますが、防衛能力を高める前に感染原因の除去を行うことが原則です。健康な歯ぐきでは、体調によって腫れることはありません。


 

放置ではなくちゃんと応急処置で対処していたつもりだった

全く歯科医院に行ってなかったという人ばかりでなく、実は痛みや腫れのたびに応急処置だけ行っていたというケースもよくあります。応急処置と聞くと短時間の治療でも、まるで裏技のような最大限の成果を生み出す魔法のようなイメージがありますが、原因の治療を行わずに対症療法だけで、症状を落ち着かせているに過ぎません。応急処置は仮の治療であって本当の治療ではないのです。

さらに応急処置は治療としては未完のため、歯が削りっぱなしになていたり、神経を抜いただけの歯の中が空洞状態のまま放置されてしまうことも多く、虫歯の進行が飛躍的に早まってボロボロになりやすいため、抜歯までの期間が短くなりやすいので注意が必要です。 
 

早期受診せず歯周病を悪化させてしまうケース

やはりこれが一番多いかもしれません。「こんな状態になるまでどうして歯周病治療を遅らせてしまったのか……」と考えてしまいますが、歯を抜きたくなかった、歯科が苦手、時間が取れないなど、人によってさまざまな理由があるようです。しかし歯周病治療を行った人の多くは、もっと早く治療すればよかったと後悔される方がほとんどです。

しっかり噛めない、ときどき歯ぐきが腫れる、噛むたびに揺れる歯に違和感や痛みがあるなど、我慢することが当然の毎日だったものが、治療の結果、たとえ抜歯して、入れ歯になったとしても、大きな我慢を強いられない快適な日常を取り戻すことができます。

歯周病はきちんとした定期検診を行うことで、進行する前に早期
発見したり、簡単に回復したりすることができます。もし進行した歯周病が見つかったのであれば、その状況から目を背けずに、しっかりと回復するまで治療を続けられることをおすすめします。