失恋から立ち直れない女性に学ぶ、こじらせない方法とは?

怒りと悲しみ

失恋から立ち直れない……怒りと悲しみをきちんと受け止めましたか?


「20代の失恋を今も引きずっていて、恋ができない」と嘆く40代の女性に会った。10数年も失恋を引きずるとは、なんとピュアな人なのだろうと驚かされる。

「もっと早く立ち直っていればよかった」と話す彼女、エイコさんから学べることはあるだろうか。

 

失恋から立ち直れないのは、行き場のない気持ちから

エイコさん3年つきあっていた彼に突然フラれたのは28歳のとき。互いの親にも紹介済みで、そろそろ結婚式の日取りを決めようと話し合っている最中だった。

「私の友だちと浮気したんですよ。彼女は不倫していて、それが相手の奥さんにバレて破局し、ぼろぼろになっていた時期。私は毎日のように話を聞いて慰めていた。それなのに彼女は、私の彼に近づいたんです。彼も彼ですよね、そういう女とホテルに行くなんて」

幸せな友だちを逆恨みしたのだ。エイコさんは「一生あなたを許さない」と宣言した。同時に彼のことも許さなかった。

「ふたりがくっつくのならそれでもいいとさえ思っていた。あれほど怒り嘆いたことは、後にも先にもありません。そこから私の人生、腑抜けのようになってしまったんです」

怒りはいつまでもおさまらなかった。どうやって自分を労ったらいいのかもわからない。感情を押し殺すようにして仕事をした。

「さっさと身を退いたのがいけなかったような気がしますね。友だちはともかく、彼にはもっと自分の気持ちをぶつけてもよかったのかもしれない」

怒りをぶつけきらないうちに身を退いてしまったため、彼女の中に怒りが溜まっていった。行き場のない怒りが体と心を浸蝕していく。
 

失恋した後、泣きたいのに泣けずに鬱状態に

取り繕い、感情の行き場がなくなって……

取り繕い、感情の行き場がなくなって……


さらに彼女は感情を封じ込めてしまったため、泣きたいのに泣けなかった。

「友だちが、とりあえずカラオケで発散しようと言ってくれて。3人でカラオケ行って朝まで歌ったんですが、私、なぜか明るい恋の歌ばかり選んでいたんですよね。明るく恋をしたいという気持ちにはまだなれないのに。失恋ソングを泣きながら歌っていたら、もう少しすっきりしたかもしれません」

周りの友だちも、立ち直りが早い、そのままがんばってと励ましてくれた。それがまたエイコさんのプレッシャーになった。

「泣きたい、愚痴りたい。でも友だちに心配をかけたくない。心の痛手は日にち薬だというから、感情的にならないよう淡々と仕事をしました。深く考えないようにしていたけど、実際にはいつも心の中に怒りが渦巻いていたし、無理やりテンションを上げないと会社にも行けなくなっていたんです」

半年後、ついに体が悲鳴を上げ、彼女は倒れた。睡眠も栄養も不十分だったのだ。病院に運ばれて入院しているうちに、うつ状態となった。2週間入院し、その後は自宅療養しながら精神科に通った。

「2ヶ月くらいで会社に復帰したのですが、なんだか自分が自分でないような違和感があり、とうとう会社を辞めて実家に帰りました」

気分は乱高下し、体調も優れない。彼との破局の原因を親には話していなかったので、実家も決して居心地がいいわけではなかった。
 

失恋から立ち直れなかったのは、感情を発散させる機会がなかった

その後、30歳を過ぎた頃、エイコさんはようやく落ち着いてきた。とはいえ、失恋の傷が癒えていないことは自分がいちばんわかっていた。

「生活を変えようと昼はファミレス、夜はスナックを掛け持ちして、接客の仕事ばかりしていました。スナック勤めは新鮮でしたね、人間の裏表が見られたから。だけど、お店に失恋した女性がやってきてさめざめと泣いているのを見たら、彼女と同化したような気分になって、だんだん気持ちが悪くなって……」

自らの失恋がリアルに思い出され、生々しく感情が蘇ってきたのだという。

「きちんと感情を発散させなかったせいだと思ってはいたけど、2年もたつと発散する機会もありません。結局そこから立ち直るのにまた時間がかかって……。他の男性とつきあってみたりもしたけど、全然楽しくないんですよね。目の前の男性をきちんと見ることができないままでした。しばらくして35歳になったとき、前の会社の上司が声をかけてくれて復職しました。それから5年近くたって、ようやく感情のブレがなくなってきたかなという感じです」
 

失恋から立ち直れないときの対処法とは

同じような経験をしても、もっと早く立ち直る人もいるはずだ。彼女がここまで失恋をこじらせてしまったのはなぜなのだろう。

「やはり事実を受け止めて、ちゃんと泣いたりちゃんと怒ったりしなかったからじゃないかと思います。彼を罵って殴りかかってでもいれば、その後は少し変わっていたかもしれません。ときどき思い出したとしても、そのとききちんと感情を処理しておけば、自分の中だけで気持ちが肥大化しなかったのではないかと……」

肥大化したのは怒りや恨み、そして自己卑下だった。

「失恋くらい誰でもしますよね。今になればそう思う。衝撃が強すぎて、何がショックなのか、私は何に傷ついているのかもわからなくなっていた。自分の身に起きたことは、少し時間がたったらちゃんと整理したほうがいい。それができずに失恋をこじらせて、10数年もムダにしてしまったような気がします」

失恋の悲しみや怒りから立ち直る方法を探している方は、彼女の言葉に耳を傾けてみてほしい。人生にムダはない。彼女にも、いつかこの10数年を取り返せるときが来ると信じたい。