ビットコインの高騰は真実

ビットコインの売買で大きな利益を上げた体験談が話題になっています。確かに、ビットコインの上昇率は、2017年で20倍ですから、スゴいです。過去の経緯を振り返ってみましょう。

ビットコインバブルは、本物なのか?

ビットコインバブルは、本物なのか?


ビットコインの運用が始まった当初の2010年には、1ビットコイン(以下、BTCと表記します)が10円にも満たない仮想通貨でした。2011年に最初のバブルが訪れて、1BTC=約1,500円まで値上がり、2013年には11万円まで上昇します。しかし、その後マウントゴックスの破綻事件で価格は2万円弱まで暴落しました。それが、2017年初めには10万円を超え、12月には過去最高値220万円に到達しました。記事執筆時の時価は185万円です(2018年1月)。

1年で20倍になるという資産はそうありませんから、世間の注目を集めるのは当然といえます。が、果たして、これは資産運用と言えるのでしょうか?


 

ビットコインの期待される姿

ビットコインの最大の特徴は、中央銀行が存在しない通貨という仕組みです。そして、2013年のキプロス危機で銀行預金への課税や預金封鎖を嫌ったキプロスの資金がビットコインに流出し、価格が急騰しました。政府から干渉されない、お金の安全な避難先として、仮想通貨は貴重なわけです。

第二には、インターネットでの流通ですから、コストが安く済みます。特に、海外送金の場合には、圧倒的な優位性を発揮します。

第三に、値上がりが期待できる資産です。通常の法定通貨は、物価や金利との関係で価値が変わりますが、通貨それ自体では、上がりも下がりもしません。しかし、ビットコインには、マイニング(採掘)という作業が存在し、マイニングを実行できた人はビットコインの新規発行を受けることができます。

マイニングの仕組みは難解なので、ここでは詳述できませんが、非常に複雑な計算をして、仮想通貨の中核であるブロックチェーンを維持する作業です。

マイニングの成果として、最初に解答を得た人だけに報酬が与えられます。計算により無から有を生み出すプロセスです。ですから、通貨それ自体で、価値が増殖していきます。つまり、もうかります。


 

ビットコインの現状

法定通貨でない、流動性が高い、報酬もあるというのが、ビットコインの理想的な姿ですが、現状はどうなっているでしょうか?

法定通貨でないということから、信頼できるか?安全か?という疑念が残ります。ビットコインが違法取引に使われたり、盗難横領の被害に会うという事件も起きています。取引の匿名性が高い通貨であることから、犯罪者集団にとって格好の送金手段となってしまい、被害の拡大が懸念されています。

ビットコインの理念は、自由と平等ですが、実際には、どうか?誰が保有し、誰がマイニングをし、誰がもうかっているのか?現状の保有状況を見てみると、必ずしも平等ではなく、いびつな構造になっていることが分かります。

・上位1%の人が全体の90%のビットコインを保有しています。
・マイニングをしているトップは中国で世界の68%を占めています。
・取引所のシェアでは、中国が93%と圧倒的です。


ビットコインで熱くなっているのは、どうやら中国を筆頭に韓国と日本という東アジアだけのようです。

それから、ビットコインには取引上限があるために、永遠に拡大するわけではありません。途中で分裂をします。それがハードフォークです。分裂は、増殖のチャンスではありますが、喪失のリスクでもあります。2017年の分裂で、ビットコインを保有者には、ビットコインキャッシュがという新しい仮想通貨がタダで与えられました。結果的には儲かりましたが、新しい仮想通貨の価値は、保証されているわけではありません。


 

ビットコインの評価

仮想通貨のコアな技術であるブロックチェーンは、未来の金融を根底から変える魅力を持っています。ですから、仮想通貨を怪しいと判断するのは軽率です。しかし、現実には、ビットコインの内情に、その構造や仕組みに関するいくつかの問題を抱えています。それを分かったうえで、短期的な投機として儲けようと取り組むことは、かまわないと思います。

しかし、永遠に右肩上がりのカーブを描く資産でないことは、忘れてはいけません。また、利益確定やロスカットによる撤退を厳格に行わないと、大きな損失に泣くことになりかねません。なぜなら、株価やFXのような投資指標が、ビットコインには存在しないからです。

ビットコインの本源的な価値はゼロである、という認識が、アカデミックな専門家たちの見解です。

知名度を上げた仮想通貨取引について、世の中の反応は二極化しています。冷ややかに、批判的に論評する人がいる一方で、”夢がいっぱい”と楽観的に喧伝する人もいます。2030年までにはIBTC=50万ドル(約5,200万円)を目指すなんていうウワサもあります。

確かに、乱高下を利用して、お金を何十倍、いや何百倍にも増やした人は、確かにいます。そんな実話にそそられて、柳の下の二匹目のドジョウを狙う人もいるはずです。


 

安易な勧誘には、ご用心!

しかし、気をつけて欲しいのは、アフリエイト・ビジネスです。本心からアマチュアを誘うプロもいますが、自分が紹介手数料をもらうことを目的として、仮想通貨取引をすすめるプロもいるからです。

顧客獲得に熱心な取引所の会社は、新規顧客の紹介に対して積極的に報酬を支払っています。つまり、初期に儲けた人が、次の新規参加者(アマチュア)を誘い入れて、また儲けるという、「仮想通貨は2度美味しい」状態が、見受けられます。

また、高騰したイメージを悪用して、仮想通貨ファンドのような形態で、お金を集める業者も現れています。もし、あなたに仮想通貨取引を安易に誘う人がいたら、その人の動機を深く確認することをおすすめします。