大手ディベロッパーの中には、過去最高の契約件数も。売行きの2極化傾向強まる2017年のマンション市場

不動産経済研究所発表の首都圏のマンション市場動向(2017年11月度)によれば、2017年11月の首都圏マンション供給戸数は、対前年同月比24.6%増の3366戸。1戸当たりの平均価格は、5551万円(-0.6%)平均平米単価は、83.5万円(+3.0%)で月間契約率は、67.9%となっています。2017年の11カ月の月間契約率を見ると、好調の目安とされる70%を上回るのは、5月、7月の2カ月のみ。ただし60%を下回る月はなく、年を通して好不調の分かれた1年でした。そうした中で、大手ディベロッパーの分譲するマンションは、好調物件が目立ちます。11月に販売開始となった、「ザ・タワー横浜北仲」は、第1期が即日完売。都心、再開発、タワー、駅前、大規模といった特徴ある物件が好調で、長期にわたっての開発に優位性を持つ大手ディベロッパーの供給比重が高くなることも要因でしょう。

「シティテラス杉並方南町」の外観

販売堅調な「シティテラス杉並方南町」の外観

中でも住友不動産は、2017年4月~9月の2017年度上半期で過去最高の4000戸を上回る契約件数(全国 マンション)実績。例えば、丸の内線「方南町」駅前の大規模マンション「シティテラス杉並方南町」は、総戸数298戸に対し約140戸が成約済み(2017年12月1日時点)と堅調。当サイトでも紹介した「シティタワー東京ベイ」や「シティタワー大井町」なども好調で、駅近、大規模、都心、再開発タワーといった供給ラインアップが充実していることも高い契約実績の要因でしょう。

「シティテラス杉並方南町」からの景色

「シティテラス杉並方南町」からの景色

「シティテラス杉並方南町」(住友不動産)は、駅近の利便性を享受しつつ戸建ての住宅街が周囲に広がる閑静なロケーション。東向きの上階からは、新宿副都心が一望できるように都心を身近に感じられるロケーション。分譲坪単価約370万円で中心タイプが3LDKで7千万円台の価格設定。意匠性の高い外観デザインや共用部だけでなく認可保育園や診療所の併設、プライバシーに配慮した共用廊下などの細やかな配慮、待機児童への取組みが積極的な杉並区立地などが評価され堅調な売れ行きに結びついています。

「シティテラス杉並方南町」の共用廊下

「シティテラス杉並方南町」の共用廊下

 実際に、建物の中を見学すると、吹抜けのあるエントランスホールは広々としていてホテルライクなつくり、共用廊下も格子状のスリットを設けることで目線を気にせずに歩けます。
 

供給価格が上昇する中で、求められる「納得感」。価格帯間の競合が、二極化の要因

売れ行きの二極化の要因として挙げられるのが、価格の上昇です。新築マンション価格は、ニーズの強い東京23区中心に供給戸数が増えたこともあり、平成29年度上期(4月~9月)の首都圏新築マンション平均価格は、前年同期比5.8%上昇の5992万円。東京都区部は、前年同期比4.2%上昇の7160万円となっています(出典:不動産経済研究所)。中心価格帯が上昇しても購買層の年収が大きく増えているわけではないので、似たような価格帯間で購入層の回遊が生まれます。実際、広域でのタワーの回遊や似た価格帯で品川区と江東区のマンションが競合するなど、おおよその予算設定の中で選択肢を拡げているようです。

2015年の12月に第一期の販売がスタートし未発表のプレミアム住戸以外は全戸申し込みが入った「パークシティ中央湊 ザ タワー」(三井不動産レジデンシャル)も広く支持を得られたマンションの一つですが、隅田川の水辺近くの恵まれた住環境にありながら銀座や東京駅徒歩圏、かつ地上36階建て全416戸の大規模免震タワーという点で、売れ筋の要素が揃っています。

「パークシティ中央湊undefinedザundefinedタワー」の外観

「パークシティ中央湊 ザ タワー」の外観

住・商一体の再開発で、1階には商業施設が併設予定。ランドマークとして目立つスタイリッシュな外観で、二層吹抜けのエントランスホールは、隅田川のほとりがのぞき圧巻の開放感です。

「パークシティ中央湊undefinedザundefinedタワー」のエントランスホール

「パークシティ中央湊 ザ タワー」のエントランスホール

隅田川を正面に眺められる共用施設「リバービューラウンジ」や「ライブラリー」、「スタディカフェ」など大規模マンションならではの、魅力的な生活シーンが演出されています。

「パークシティ中央湊undefinedザundefinedタワー」の共用部

「パークシティ中央湊 ザ タワー」の共用部

地価の上昇や建築費の高止まりが続く中、価格上昇は致し方ないにしても、それでも納得できる魅力的な要素があるマンションは、2017年も堅調な売れ行きを示したと言えるでしょう。

目黒駅前の再開発

目黒駅前の再開発

また、中古マンション価格が上昇する中で相場観も変わりつつあるようです。プラウドシティ大田六郷(野村不動産)は、春から販売ペースが大きく伸びたマンションの一つ。マンションの供給ラインナップが入れ替わる中で相対的な値頃感が出たことも堅調な理由と考えられます。また、広域で見ると「東京」通勤で検討する際の競合となっていた全864邸の「ザ・ガーデンズ東京王子」が完売したことも大きいのではないでしょうか。中古マンション価格が上昇する中、都心近郊でも共働きファミリーに支持されている「プラウドシティ越中島」のように値頃感ある新築マンションを探す動きは、目立つようになってきています。

2017年下半期は、有明の大規模タワー「シティタワーズ東京ベイ」(住友不動産)、横浜市最高層58階建て「ザ・タワー 横浜北仲」(三井不動産レジデンシャル、丸紅)、「武蔵小山」駅前の再開発第1弾「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」など注目物件が多くの支持を集めました。じっくりと開発に期間をかけて登場したマンションは、魅力が多く高い支持を受けています。一方で、戸建てと競合する郊外エリアのマンションの中には、売れ行きが芳しくないものも。30代人口が頭打ちとなる中で、一次取得者向けの住宅は商品力とコストパフォーマンスがより吟味される時代になってきたと言えるでしょう。都心と比べ郊外エリアのマンションは、「選べる」時代になってきたのではないでしょうか。