2017年「国民の決断」アワード1位は「働き方改革」!

2017年、働き方はどう変わったか?

2017年、働き方はどう変わったか?

オールアバウトが2013年より実施しているアワード企画「国民の決断2017」、キャリア部門および総合ランキングの1位に"働き方改革"として「定時に帰る決断」が選ばれました。

オールアバウトが行ったインターネットリサーチでは、「働き方改革」という言葉の認知度は8割強におよび、うち約9割が「働き方改革」という言葉を好意的に捉えていることがわかりました。

2016年末の電通社員の過労死事件をきっかけに、2017年に議論が高まった働き方改革、仕事のやり方は本当に変わったのでしょうか? 振り返ってみましょう。
 

在宅ワーク、副業可……、働き方改革は中小企業や地方にも

私の会社は、企業の働き方改革のコンサルティングを行っています。創業した2006年当時、「ワーク・ライフバランス」や「働き方改革」といった言葉はまったくといっていいほど知られていない状況でした。

それから10年あまりが経って、どちらの言葉もずいぶん浸透してきた実感があります。お客様からご相談いただく内容も、初期は「育児休業から復帰する女性社員をどう支援すればいいか」といったものが中心でしたが、最近では「もっと生産性高く働くために環境やチームをどう変えればいいか」といった課題へと移っています。

また、お客様が首都圏の大企業中心から地方の中小企業へ広がり、最近大きな変容を遂げているのはこうした企業のケースが多いのです。

日本生産性本部が2017年5月に発表した「2017年度新入社員春の意識調査」(PDF)によると、74%が「残業がなく、自分の時間を持てる職場がよい」と答え、働き方改革で重要と思うテーマの第1位は「長時間労働の是正」であるとしています。

前述のオールアバウトによるアンケートでも、約5割の人に自身の働き方を見直す意向がある、という結果が出ています。ここからは、企業だけでなく個人の働き方に対する感度が高くなっていることがわかります。

さらに、副業や在宅勤務(自宅で仕事をすること)やモバイルワーク(会社以外で仕事をすること)の導入、サテライトオフィス(通常の拠点以外のオフィス)の設置なども増えてきています。働く場所の柔軟性により、快適に仕事をすることや効率的に仕事を進めることを後押しする動きが始まっています。

こうした流れとともに国も動き出しており、2016年8月、第3次安倍第2次改造内閣の発足とともに「一億総活躍社会実現のために働き方改革担当大臣」を設置、9月には内閣総理大臣決裁で「働き方改革実現会議」を立ち上げました。2017年11月には日本経済新聞が働き方改革に関する特集を組むなど、世論も大いに盛り上がってきています。
 

前年比16%の残業減を達成、総額8000万円を社員に還元した三菱地所プロパティマネジメントの事例

とはいえ、

「何を見直すかがわからない」
「目の前の仕事が終わらない」
「新しい働き方にチャレンジしたくても、現状の仕組みでは到底無理……」
「働き方改革なんかやったって残業代が減って生活が苦しくなるだけ。若手にとっては迷惑な流れだよね」―――

こんな声があなたの企業でも聞こえてこないでしょうか?

三菱地所プロパティマネジメント株式会社では、働き方改革が始動して半年ほどたつと、熱心に取り組む部署ほどこの疑問にぶつかりました。

全社的な方針として働き方改革が示されていても、聞き流していて以前どおり残業している部署のほうが残業代も含んだ報酬が多いわけですからモチベーションが続かない、ということが起きたわけです。

上手なインセンティブ設計で社員を本気にさせる事例も

上手なインセンティブ設計で社員を本気にさせる事例も


しかし、その声に対して、千葉太代表取締役社長は即座に対応。前年比で時間外手当削減実績額を「全額」社員にボーナスで還元することを決定したのです。

全社で前年比16%の残業が減った同社では総額8000万円以上を、夏冬のボーナスに分けて社員に還元。さらに今年度の特別企画として、新たな部門表彰制度「ワークスタイルチャレンジ」を作り、2017年12月末までの実績値で、チームメンバーの平均が有給取得80%以上、残業20時間以内(かつ残業60時間を超えるメンバー・有給取得60%以下のメンバーがいない)を達成したチームには、全メンバーに最高6万円の報奨金を出すことに決定するという大きな取り組みをしています。

最初は半信半疑だった社員も、残業代の還元策などを通じて本気度を感じ、それならば自分達も本気で仕事のやり方から見直していこうという前向きな機運に切り替わりました。同社は業績も好調に推移しており、中長期利益目標も、予定よりも4、5年前倒しで達成できそうな見込みと聞いています。

現在の「働き方改革」においては、こうしたインセンティブ設計の見直し、意義と本気度の浸透をも含めた施策が求められているのです。