働き方改革の本質は生産性の向上

働き方改革の本質は生産性の向上です。残業時間を削減したとしても、処理すべき仕事が減らなければ、どこかで帳尻合わせをしなければなりません。家でやるのかスタバでやるのか……、それだけの違いになっては意味がありません。

仕事が溢れ困っている様子

働き方改革。時短だけでは進まない。


働き方改革は「総務が主導すると成功する」と言われます。どの部門にでも気軽に出入りできる総務、現場のことを熟知している総務が、その旗振り役となると成功する、と働き方改革の専門家が述べています。

しかし、その旗振り役になるべき総務が、いま苦しんでいます。目の前の仕事にアップアップして、全社の働き方改革を進める余裕が無いのです。
総務が自らの仕事を見直し、総務自身の仕事の改革を進めないと、全社の働き方改革が進みません。今回は、総務の仕事改革のための業務改善の仕方を紹介しましょう。


 

生産性 = 提供価値 / 投入資源

業務改善を考える前に、そもそも改善をすべき業務、仕事とは何でしょうか? 

そもそも仕事とは、「最少のインプットで、最大の価値を作り出す」ことを目指します。「できるだけ少ない労力・時間」「最も効率の良い手段・プロセス」「最も安価な費用」で、「多くの価値(=目的の達成)」を実現することにあるのです。

生産性という言葉、これは、いかに効率良く、価値を実現するかというその度合いのこと。

生産性 = 提供価値 / 投入資源 
という図式になります。

つまり、業務改善というのは、この生産性を向上させることに他なりません。先の図式において、投入する資源の量を減らすと同時に、提供価値を高めることができれば最高ですが、「投入資源を減らす」だけ、「提供価値を高めるだけ」という業務改善もあるかもしれません。

皆さんも、はじめての業務を行う場合は、いろいろと工夫を凝らし、効率的に行うことを考え、実践しているのではないでしょうか? しかし、時が経って環境が変化しているのに、相変わらず従来通りの方法で業務を遂行するといった「マンネリ」に陥ることも多いかと思います。

なぜなら、人間は変化を嫌うものだかです。昔のまま、従来通りの方法で行った方がラクですし、なにより安全です。仕事の仕方を変えたことにより失敗したら目も当てられません。変えるためには勇気と確かな勝算が必要です。

しかし、怖がっていては改善はできません。変革は起こせません。イノベーションももたらせません。戦略総務を目指すのであれば、常に業務の時間短縮・疲労軽減・経費低減、そして、常に提供価値の向上を目指すことが必要です。


 

業務改善は「やめる」「減らす」「変える」が鉄則

業務改善の進め方には鉄則があります。以下の流れで考えるということです。

  • 1. やめる
  • 2. 減らす
  • 3. 変える

業務改善

業務改善の鉄則


まずは、やめる。

今まであった仕事を一度思い切ってやめてみる。やめた後で、やはり必要だと現場からの声があがってくれば、また復活すればいいのです。やめても誰も気が付かない、というケースも多くあります。既得権化した仕事をやめるときには現場からは不平不満が出てきますが、いずれ慣れてしまうものです。やめる場合は経営も巻き込んで、大義名分を用意してから進めるのがおススメです。

次は、減らす。

どうしてもやめられない業務もあります。そこで、継続はするものの、提供しているサービスや物品の量や質を落とす、という方法です。回数・頻度・時間・種類・重さ・量・長さを減らすことを検討します。全面的にやめるのではなく部分的にやめる、というのもこの減らすという方法です。ムダに多く在庫を抱えていたり、必要ないサービスまで準備したりしていなかをチェックし、じわじわと質や量を落としていきます。

「現場からの依頼にはすぐに対応」というケースも多いでしょうが、実はすぐに対応しなくても良い、ということもあります。担当者としては「すぐに対応した方が気分的にもラク」かもしれませんが、そのたびに本来やるべき仕事は中断されてしまいます。「はい、対応します」と答える前に次のことを確認しましょう。

「いつまでに、対応すれば良いですか?」
「そもそも、何が問題なのですか?」
「それは、いつも起きる問題ですか?」


依頼の本質を確認し、本当に必要な時期までに対応する。スピード重視よりも本質重視の考え方です。これも作業自体を減らす、対応スピードを遅くする、という「減らす改善」となります。どこの部署でも起こり得る問題だと把握できれば、仕事量は増えても本質的な改善に結びつきます。

最後が変えるという方法です。

仕事の仕方を変える、例えば、ITに置き換える、アウトソーシングしてしまうなどの方法です。


 

業務改善の手法は「ゼロベース」「勉強会」「多能工化」

それでは、他社ではどのようにして業務改善を行っているのでしょうか。

ある会社では、毎年全ての業務を聖域なしのゼロベースで見直し、業務の再定義を行っています。再定義とは、その業務の目的の再確認です。

「そもそも、この業務は、何のために行っているのか?」
「そもそも、この業務をして、誰が喜ぶのか?」
「そもそも、この業務を通じて、何の価値を提供しているのか?」


そのような視点で、全ての業務を見直すといいます。惰性で行う業務を無くすことが目的です。

業務改善の手法

業務改善の手法


ある企業では、各自の業務を順番に、他のメンバーに教える勉強の場を作っています。教えるには、自らがしっかりと理解していなければなりません。あやふやなところがあれば、鋭い突っ込みが入ります。また、業務は第三者の目が入らないと、なかなか改善されないものです。当事者は経緯な内容を良く知っているがゆえに、踏み込めないことも多々あるからです。

勉強会の様子

総務部内で勉強会を行い、多能工化を進める


そこで、業務改善の勉強会を行います。他部署のメンバーや外部専門家を入れることで、業務が第三者の目に触れ、新たな視点、別の視点で仕事を見直す機会になります。「誰が何をやっているか分からない」ことが多い総務業務の弊害を勉強会を通じて無くそうと言う試みです。

ある企業では、全ての業務を一人で完結させることをせずに、常に複数人で処理するフローとしています。誰が休んでも対応できる体制になるとともに、複数人が関わることで改善の視点を多く取り入れられます。一人が惰性で行うのではなく、常にいろいろな視点を通じて、業務を改善できるチャンスを増やしているのです。

以上のような事例を通じて分かる業務改善のポイントは、一人で長く仕事をさせないことです。それにより、属人化が進み、誰が何をしているのかが分からない、総務部の典型的な悪いところを助長してしまいます。
ぜひ、総務の仕事の見える化を実現することをお勧めします。

まずは総務の仕事改革、ぜひ、取り組んでみましょう!