LINEいじめは増えている?

い詰められる「LINEいじめ」の対策が急務

 

平成 26 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における 「いじめ」に関する調査結果(2015年10月)を見てみましょう。同調査によると、スマートフォンやインターネットによるいじめの件数は7898件で890件減っているといいます。

しかし、LINEによるいじめは、Googleなどの検索サービスの検索対象とならず、友だちになりグループに招待されないとトークが読めないなど、外部からわかりづらい点が最大の問題となっています。この数字の陰に、見つかっていないSNSのいじめが隠れている可能性は高いと考えられるでしょう。


 

評判を落とすいじめが多発

LINEと東京都教育委員会・神奈川県教育委員会が小中高校生を対象に実施した「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」(2017年3月)によると、実際に体験した嫌なことは「知らない人から『友だち追加』された」「話の最中にスマートフォンや携帯を触っていた」「既読無視をされた」「未読スルーをされた」などとなっていました。日常的に多くの人が体験することばかりです。

一方、もしされたら嫌だと感じることは、「噂を広められた」「LINE上で自分の知られたくない情報が流された」「写真を勝手に公開された」「入っていないグループトーク内で自分の悪口を言われた」などとなっていました。

実際に体験した数は少ないものの、嫌だと感じる児童生徒が多く、いじめにつながる行為であると言えるでしょう。つまり児童生徒たちは、自分の居場所がなくなったり、周囲の人たちからの評判を貶められる行為を嫌がっていると言えるのです。

閉じた世界のLINEでの悪口は周囲に気付かれにくい

閉じた世界のLINEでの悪口は周囲に気付かれにくい

ガイドは学校現場の先生や生徒の声を聴く機会がよくありますが、実際に、クラスグループなどで相手が恥ずかしい動画を公開するタイプのいじめや、評判を落とすような書き込みをするいじめは頻繁に起きています。「強い子が悪口を言い始めて、グループのみんなも何も言えずにいたら、本当のいじめにつながってしまった」というケースもあります。

LINEいじめの怖さについては「LINEいじめはなぜ怖い?いじめの4タイプと防ぎ方」で解説しましたが、体験しないと本当の怖さはわからないかもしれません。数人からたたみかけるように否定的な言葉を送り続けられるLINEいじめを疑似体験できるサービスがあります。チャットログというサービスです。とてもリアルなので、一度見てみるといいでしょう。ただし、最後にホラー画面が出てくるので注意してください。


 

SNSを使ったいじめ相談も登場

自殺につながることもあるLINEいじめの対策は急務となっています。そこで、様々な自治体が対策を始めています。千葉県柏市では、2016年3月には、Android端末限定でLINEいじめの可能性を発見できる監視アプリ「Filii(フィリー)」を中学校の保護者に無償提供する実証実験を行いました。2017年度からは、いじめの匿名通報アプリ「STOPit(ストップイット)」を同市中学校の全生徒に提供しています。

滋賀県大津市は、LINEと「LINEを利用した子どものいじめ防止対策に関する連携協定」を締結。2017年11月1日より2018年3月31日までの期間、LINEを利用したいじめ相談受け付けや広報啓発を実施します。大津市の中学校からモデル校を数校選定し、相談用LINEアカウントを友だち追加するためのQRコードを配布し、LINEを利用したいじめ相談受付の試験運用を行います。電話ではなくLINEならいじめ相談もしやすいと考えたというわけです。

LINEなどのSNSではいじめがあったことがわかりづらいため、対策もこのように子ども自身から相談させたり、通報させるという方向に変わってきています。文部科学省も、電話によるいじめ相談窓口に続いて新たにSNSからの相談にも応じる仕組みを検討中であり、今後もSNSなどを使ったいじめ相談は拡大していくと考えられます。

このようなアプリを使っていない地域でも、いじめなど問題が起きたら子ども自身から相談してもらえる関係にあることで、問題の早期発見ができるはずです。日頃から子どもの変化に注意して、LINEの使い方や問題などについて親子で話し合う習慣をつけるといいでしょう。