「特殊な車だから、さぞ維持費もかかるんでしょうね?」

キャンピングカーにまつわる誤解のトップ10に入りそうな質問がこれだ。確かにキャンピングカーの中には大きいタイプのものもある。中にはベッドやキッチンがあって「普通のクルマ」ではない。だが、基本的に「変わった車」=維持費が高い、ではないのだ

キャンピングカーの維持にはどんなお金がかかるのか、具体的に見てみよう。

キャンピングカーの維持費を考えてみた

キャンピングカーの維持費を考えてみた

 

基本的な項目は普通乗用車と同じ

キャンピングカーの維持費としてかかるものは、「税金と車検」、「メンテナンス費」、「燃費や高速代」の3つ。でも考えてみれば、これらはどれも「車を持つなら必ずかかる費用」。では、それぞれの項目の中身はどうだろう。詳しく解説してみよう。

■税金と車検
自動車にまつわる税金はふたつ。毎年払う「自動車税」と、車検時に払う「重量税」だ。

自動車税は「車の排気量」に応じて課税される税金。なので、キャンピングカーだからといって、特別高いということはない。

ちなみに、エンジンのついていない「キャンピングトレーラー」は自動車税=¥0 なのかといえば、残念ながらそうはいかない。車両として最低ランクの自動車税はかかってしまう(最低ランクなので1万円前後。都道府県によって異なる)。

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大きくて重いキャンピングカーでも重量税は優遇されている

重量税は文字通り「車両重量」に応じて課税される税金で、車の種類ごとに細かく分けられている。キャンピングカーはどうしても大きく重くなりがちだが、実はキャンピングカーの税率は「乗用車の約50%」! かなりお得なのだ。が、もちろんそこには条件がある。重量税50%オフを受けるためには、その車両が「キャンピングカー登録」されていなければならないのだ。

いわゆる「8ナンバー」=特種車両は、福祉車両、パトカー、救急車……などのカテゴリーで、キャンピングカーもその中に含まれる。キャンピングカー登録するためには一定の条件(構造要件)があり、

・就寝設備があること
・給排水設備があること
・食品を加熱する設備があること

など、詳細に決められている。

この構造要件を満たし、8ナンバー登録がされていれば、車検は2年毎に。つまり、重量税は車検時に支払うから「乗用車の50%オフで、2年毎に払えばよい」ということになる。


■メンテナンス費
キャンピングカーは、確かに大きくて重い。だが、クルマとしてのメンテナンス費が余計にかかるわけでもない。キャンピングカーのベースに多く使われるのは商用車。元々、経済性最優先で、非常に頑丈にできている。メンテナンスにかかる費用も、むしろ普通乗用車よりも少ないとも言える

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キャンピングカーだからといって、特別手が掛るわけではない

ただ、商用車と決定的に違うのはいわゆる家の部分、「居室スペース」があること。バンコン、キャブコンといった車種によっても異なるが、生活空間を維持するために必要なメンテナンスとしては、

・サブバッテリーを交換する
・窓やルーフベントなどの雨漏りチェック。必要に応じてシーリングを行う

などがある。

DIYする人もいれば、ビルダー(製造者)やディーラーに依頼する人も。いずれにせよ、数年に1度で十分なので、月平均にしたら数千円にも満たない程度だろう。


■燃費
メンテナンスの項でも書いた通り、キャンピングカーのベースの多くは商用車。経済性を重視しているので燃費面でも優れている車が多い。また、ディーゼル車が多いのも経済的だ。

ヨーロッパではキャンピングカーのシェア7割を占め、日本でも人気の高いフィアット・デュカトなどは、のんびり走ればリッター12kmは走るという。「キャンピングカーだから燃費が悪い」ということはないのだ


■高速道路料金
実は、かなり大きなキャンピングカーまで、8ナンバー登録されていれば高速道路料金は「普通車扱い」なのだ。例えば幅2m超、全長約7mという、大型ダンプカーのようなサイズでも、1000ccのコンパクトカーと同じということ。これは遠くに出掛けることの多いキャンピングカーにとっては、嬉しいメリットだろう。

ちなみに、キャンピングトレーラーの高速料金は、けん引している車両(ヘッド車)のワンランクアップになる。例えば普通車でけん引していれば、中型車料金に。ETC車載器に「けん引あり」で登録しておけば、自動的に判別してくれる。


いかがだろうか。むしろキャンピングカーが優遇される場合もあって、一概に「維持費が高い」とはいえないことが、お分かりいただけたと思う。これでキャンピングカーを持つことへのハードルが、また一段、下がってくれたら嬉しいのだが。