がんの5年・10年生存率ともに上昇している

毎年1月ごろ、国立がん研究センターが「がん生存率」を発表します。それによると、2006年~2008年にがんと診断された人の5年後の生存率は69.4%でした。これは、10年前に罹患した人と比べて約7%上昇したとのこと。10年生存率(2000年~2003年にがんと診断された人)は58.5%で、去年のデータと比べて0.3%上昇しています。つまり、がんにかかっても、10人のうち7人は5年後も、10人のうち6人は10年後も生きているということです。

がんにかかっても、早期発見で治療期間が短くて医療費もさほどかからなければいいですが、そうではなかったら?

治療が長引くことで、がんにかかる前と同じ働き方ができなくなって配置転換で収入が減る、仕事をやめることになって収入源がなくなることが考えられます。労働政策研究・研修機構「平成25年メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」によると、過去3年間での病気休職制度利用者の離職率はがんの場合は42.7%です(離職には定年など雇用契約期間終了による退職が含まれる)。
 

がん治療の医療費は高額化し、老後資金を貯めるどころではなくなる

筆者の友人は、5年ほど前に乳がんにかかって治療のために会社をやめて専業主婦になりました。友人のように、生活費も医療費も出してくれる夫がいるケースは、失うのは彼女が仕事を続けていたら得られたであろう収入だけですみます。これだけでも大きいと思いますが、がんにかかった人が生計の担い手だと失うものが大きくて大変です。収入が減るか、なくなる上に、医療費の負担が重くのしかかるのですから。

これからも、医療技術の進歩で従来にない効果があるけれど、極めて高価な新薬が次々と登場し、公的健康保険が適用されても負担が重いケースが増えるでしょう。すると、貯蓄を取り崩すことになり、老後資金を貯めているどころではなくなります。

そこで、がん保険に入って医療費に備え、家計に余裕があったら傷病の療養による収入減や途絶に備えて就業不能保険にも入りたいもの。そして、がんにかからないようにはできないでしょうから、せめて早期発見・治療できるよう、定期的ながん検診は欠かさないようにしましょう。