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LINEが上場した。時価総額は1兆円を超したという

無料通信アプリを手がけるLINE(ライン)が15日、東証1部に新規上場した。初値は公開価格(3300円)の約1.5倍の4900円で、時価総額は1兆円を超えた。

同社は14日、アメリカ・ニューヨーク証券取引所にも上場。終値は41.58ドルと、公開価格を上回る水準だった。

企業が上場することには、どのようなメリットがあるのだろうか。税理士などの資格を持つ起業コンサルタントの渋田貴正氏がAll Aboutで以下のように解説している。

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上場とは何か

渋田氏によると、日本では、約3,500社の上場会社があり、毎年100社ほど新規に上場しているという。一方で、全国には約300万社の会社があることから見ても、「実際に上場している会社はほんの一部」であることがわかる。つまり、上場とはどんな会社でもできるわけではないのだという。

上場とは、英語ではIPO(Initial Public Offering)と呼ぶ。直訳すれば、「最初の公募による増資」ということだと渋田氏は説明する。

上場していない会社では、経営者にとって知らない株主がいるということは通常ない。しかし、上場すれば公募による株主の募集が行われ、経営者にとって全くの第三者が株主になるということが当たり前になるといい、「つまり、上場前は知っている株主だけで運営されてきた会社が、上場することで公の存在になるということ」と、渋田氏は述べる。

株式の上場で所有と経営が分離する

渋田氏は、株式上場する理由として「創業者などの既存株主が、上場時に株を市場で売却することで、大きな差益を得られるということが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?」と述べる。

渋田氏によると、創業者が100万円の元手で始めた会社が数年後上場して、数億円で自分の株を売却するなんてこともありえるという。また、ベンチャーキャピタルが未上場の会社に投資する目的もここにあるといい、「資金がない会社にお金を出資して株式を受け取り、上場後に高値で売却して差益を得ることが彼らの仕事の一つ」とする。

しかし、このような株式の売却差益を得ることは、ベンチャーキャピタルにとっては目的だが、経営者にとっては違うという。株式の売却によって多額のお金を得ることができるのは、上場のタイミングですが、経営はその後も続くからだ。

経営者にとって上場することの本当の意味は、それまでは経営者が大株主である、つまり所有と経営が分離していなかったものが、上場によって所有者である株主と経営者が分離するということだと、渋田氏は説明する。

上場によって株式の売買は自由に行われるようになり、さまざまな投資家が株主になる。中には、もの言う株主として、経営がしっかり行われているかということに目を光らせる株主もおり、「こうした株主の声に答えて経営していかなければならないということ」だという。実際に、一定の利益率を達成できない場合、役員の選任に反対票を投じる株主の存在が報じられることもあると、渋田氏は指摘する。

これについては、経営の自由度が制約されるということで、デメリットととらえることもあるというが、経営が監視されることで、より質の高い経営ができるという側面があると渋田氏は説明する。

上場で資金調達の幅が拡大

会社が事業に必要な資金を調達する方法は、大きく分けて金融機関からの借入(間接金融)と、株式発行による調達(直接金融)の2つだという。上場会社の将来性に投資家が魅力を感じれば、株式発行による調達の幅は上場していない場合に比べて大きく広がり、こうした資金をもとに更なる成長のための投資が可能となるのも上場会社ならではの戦略だと、渋田氏は指摘する。また、成長できれば、金融機関から借り入れできる金額も上がるという。

このように、資金調達の幅が広がることで、成長への投資が容易になり、それが更なる資金調達を可能に、という好循環を生み出せることも、上場する理由の一つと渋田氏は説明している。

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