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ポケモン新作スマホゲーム「ポケモンGO」が英語圏向けに公開され話題になっている(写真:ロイター/アフロ)

アメリカなどで先行配信されているスマートフォンゲーム「ポケモンGO(Pokemon GO/Pokémon GO)」が爆発的な人気となっていると各紙が報じている。

ポケモンGOは現地時間6日にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国で配信が始まった。アメリカでは、750万回以上ダウンロードされており、Twitterのアクティブユーザーに迫るとも報じられている。日本版はいつリリースされるのかというのも話題になっているが、一部報道では今週中にも遊べるようになるという。

白熱する「ポケモンGO」の特徴などについて、プロジェクトが発表された2015年9月にゲームライターの田下広夢氏がAll Aboutで以下のように解説している。

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ポケモン×Niantic×任天堂

田下氏によると、株式会社ポケモンがスマートフォン向けの新作タイトル「Pokémon GO」を発表したのは2015年9月10日。新作タイトルでは、スマホを使って、現実世界に潜むポケモンを探し出して捕まえることができ、田下氏は「聞いただけでワクワクが止まらないコンセプトのゲーム」と表現していた。

このタイトルは任天堂社とNiantic(ナイアンティック)社がポケモン社と協力して取り組む新規事業。開発はポケモン社ではなくNiantic、発売元もNianticになった。任天堂とポケモン社はなじみのある企業だが、Nianticとはどのような企業なのだろうか。

Ingressを開発したNiantic

田下氏によると、Nianticは、元はNiantic Labsと呼ばれ、Googleのスマートフォン用ゲームアプリ「Ingress」を開発していたチームだったという。Ingressと言えば、世界中で遊ばれている大ヒットゲームアプリで、スマートフォンを使って現実世界にある彫刻などのオブジェや、有名な建物などに設置されているポータルを取り合う、という陣地取りのゲーム。Ingressの特徴は、スマートフォンに表示されている情報を頼りに現実世界を歩き回ってポータルを探し、スマートフォンを使ってポータルにアクセスするという、現実世界とスマートフォンのゲームを混在させた作り、と田下氏は説明する。

Ingressを作ったNiantic Labs(ナイアンティック ラボ)がGoogleから独立、新会社Niantic, Inc.となったといい、田下氏は「Ingressで培われた技術、ノウハウを使って、今度は世界中の人がポケモン探しに夢中になれるゲームができるんじゃないか、そんな未来が容易に想像できます」としている。

任天堂は専用の新デバイスを担当

田下氏はIngressの “プレイヤーが注意しなければいけないこと”として、交通事故を挙げていた。田下氏によると、Ingressではポータルを探す時にスマートフォン上のマップなどを見て探すが、夢中になってスマートフォンを見ながら街中を移動すると危険だと指摘。

田下氏は「もちろんこれは、Ingressに限らず、スマートフォンのナビゲーションアプリなどを使う時などでも同じことが言え」、「プレイヤー側が、スマートフォンを見ながら歩かない、移動しない、という当たり前の注意を払えばいいこと」としている。

一方のポケモンGOでは「この問題を解決して、より安全に、快適に遊べる」ような工夫がなされているという。そのための新デバイス「Pokémon GO Plus」の開発や製造を担当するのが、任天堂だという。

Pokémon GO Plusは、ポケモンのゲームに登場するモンスターボールを平らにしたような外見をしていて、ベルトやクリップで腕や服につけて持ち運ぶことができる道具だという。スマートフォンとBluetoothで連携、ポケモンが近くにいると、振動や光で教えてくれるため、「スマートフォンを見続けなくてもポケモンを探すことができる」と田下氏は説明する。また、中央にあるボタンを押すことで、ポケモンを捕まえるなどの基本操作を行うことができるようで、「まるで本物のモンスターボールのようでこれもワクワクします」と田下氏は評していた。

Pokémon GO Plusはあくまでスマートフォンの画面を見続けなくても遊べるようにするコンパニオンデバイスであり、これが無くてもPokémon GOをプレイすることは可能と田下氏は説明している。

実際に、6日に配信されたばかりのポケモンGOだが、Pokémon GO Plusは発売も予約も始まっていない段階だ。しかし、アメリカやオーストラリアではポケモンGOの画面を見ながらポケモン探しに夢中になる人が続出し、負傷のトラブルなども起きているという。アメリカの道路交通安全局はツイッターで「運転中はポケモンGOをしないで」と呼びかけ、オーストラリアでも警察が身の安全や不法侵入の恐れについて注意を促す異例の事態となっているようだ。こうしたトラブルを少なくするためにも、新しいデバイスの登場が待たれる。

たくさんの人から少しずつ課金するモデル

ポケモンGOの課金については、基本プレイは無料で、アイテム課金有りのサービスを展開されている。

田下氏によると、基本無料のアイテム課金というと、真っ先に思い浮かぶのがガチャであり、日本のモバイル端末向けアプリ市場では、ほとんどの人が無料で遊び、ごく一部の人がガチャと呼ばれるくじ引きの仕組みで多額の課金を行う、というモデルが非常に多く、そして成功していると説明し、「日本はこれにより、世界でも最大のスマートフォンゲーム市場を確立しています」としていた。

しかしこれは世界的なスタンダードではないそうだ。田下氏によると、ポケモンGOでは日本型の課金を採用せず、多くの人が少額のお金を使う、広く薄い課金を考えているようで、「子ども達に人気のポケモンですから、人気の過熱による高額課金のトラブルにも、気を使った運営が望まれるところです」と述べていた。

故岩田 聡氏の遺したもの

ポケモンGOでは、本編のポケモンを開発しているゲームフリークの増田順一氏も参加、世界観の構築やゲームデザイン、音楽などについて関わっているという。2015年9月の発表会では、増田氏から次回のポケモン完全新作との連動も考えている、との発言もあり、こちらの展開も見逃せないと田下氏は述べていた。

田下氏によると、ポケモンGOは任天堂の社長だった故岩田聡氏が生前に関わってきたプロジェクトであると明かされており、発表会では岩田氏と一緒に発表したかったとの思いが告げられたという。また、マリオの生みの親である宮本茂氏は、岩田氏の進めてきた「ゲーム人口の拡大」を現実のものにするゲームであると語ったという。

発表会で初公開されたポケモンGOのプロモーションムービーには、みんながポケモンを探して外に飛び出し、対戦や交換で交流している姿があったといい、「世界中のゲーマーが、そしてこれまでゲームをしてこなかった人たちも、みんなが外に出て、友達や家族と、新しい形でゲームを通して楽しい時間を過ごせるようになったとすれば、天国の岩田氏もあのニッコリとした笑顔で微笑むかもしれませんね」と述べている。

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世界中でフィーバーする「ポケモンGO」の今後の展開に、注目していきたい。

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