何年か前のことですが、ある地方都市から転勤してきた人と話をしたところ、「東京の人はよく歩くのでびっくりした」のだそうです。地方で暮らしていたときは、会社に行くのも車、買い物に行くのも車、遊びに行くのも車で、長い距離を歩くことは滅多になかったのだとか。

当然ながら自宅や会社の「建物の中」では歩くものの、いったん外に出れば玄関から駐車場まで歩くだけで、「道路を歩く」ことはたまにしかないというのです。もちろん、同じ地方都市でも人によって日常の生活スタイルはずいぶん違うでしょうが……。

それに対して大半の都会人は自宅から最寄り駅まで歩き、満員電車で全身運動(?)をして、それからまた会社まで歩くという毎日の繰り返しでしょう。

むかし何かのCMで「運動不足の都会人へ」なんてキャッチコピーがあったように記憶していますが、都会の人よりも地方都市で暮らす人のほうが運動不足ぎみなのかもしれません。

もっとも、通勤によるストレスは都会のほうがはるかに大きいでしょうけどね。

ちなみに、一般財団法人自動車検査登録情報協会がまとめた都道府県別のデータ(2016年3月末現在)によれば、1世帯あたりの自家用乗用車保有台数(軽自動車を含む)が最も多いのは福井県の1.749台。それに対して最下位の東京都は0.450台にすぎません。

同じく、1人あたりの保有台数ではトップが群馬県の0.677台、最下位はやはり東京都で0.231台です。トップと最下位の差は、1世帯あたりで約4倍、1人あたりで約3倍の大きさになります。

都道府県別の自家用自動車の普及状況

一般財団法人自動車検査登録情報協会の資料をもとに作成(2016年3月末現在)


こうして考えてみると、住宅の立地における最寄り駅からの徒歩時間や距離でも、大都市と地方都市ではまったく意味合いが異なるように感じられるでしょう。

若い世代における車離れも進み、マンション駐車場の「空き問題」も、都会ではこれからさらに深刻化することがありそうです。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2007年11月公開の「不動産百考 vol.17」をもとに再構成したものです)

 

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