お給料は増えないのに、家計の支出は増えていく

頑張って貯蓄をしているつもりだけど、我が家の家計はこのままで大丈夫なの?とこれから数年後、数十年後のことが心配な人もいるでしょう。家計費がかさめば、貯金できる金額が減ってしまう。子どもの教育費、自分の老後の生活費は十分貯められるのか。そこで、将来の家計をシミュレートする方法をご紹介します。
 

将来の家計をシミュレートする方法

将来の家計をシミュレートする方法

 

ファイナンシャルプランナーが必ず使うキャッシュフロー表とは

ファイナンシャルプランナーは、家計の診断に「キャッシュフロー表」という表を用います。これは、家計の未来をシミュレートする「未来家計簿」です。普通の家計簿は1日ごとに書きますが、未来家計簿(キャッシュフロー表)は1年単位で記入します。

未来家計簿

未来家計簿。クリックすると拡大されます。


細かくて難しそうに見えますが、少し複雑なのは最後の貯蓄残高の欄だけ。家計簿やお小遣い帳をつけた経験のある人なら、簡単だと思います。まずは表の見方を説明します。

 

未来家計簿の見方

上のほうの欄は、各年の大きな予定を書く欄です。子どもが幼稚園に上がる、車を買い換える、家族で旅行に行くなど、支出がともなう予定を書き込みます。これによって、「何年後に大きな支出があるか」がひと目でわかるようになります。

■収入
手取りの収入を記入します。ここでは収入の伸びを毎年1%に設定していますが、実際の勤め先の制度などにあわせてシミュレーションします。この表では3項目しかありませんが、不動産収入、年金収入など、家計の実態に応じて費目を作ります。

■支出
物価の上昇を想定して、支出の伸びを設定します。また、子どもが食べざかりの中学生になる年は、基本生活費を1割増しにしてもいいと思います。子どもの誕生や独立など家族人数の変化が予想される年は、生活費を2割~3割増・減にします。

■年間収支
年間収支とは、1年間の収入から支出を引いた金額です。理屈の上では、「使わないお金=貯蓄できるお金」ということになりますが、実際はどういうわけかそんなに貯蓄できていない!ということが多いようです。年間収支がマイナスの数字の場合は、赤字ということです。大きな支出があった年だけの赤字は、貯蓄で補えるので心配はいりませんが、赤字が何年も続くようなら要注意です。

■貯蓄残高
これが最重要です。年間収支が赤字でも貯蓄があれば対応できますが、貯蓄が無くなってしまったら生活は立ち行きません。

貯蓄残高は、「前の年の貯蓄残高×(1+運用利率)+その年の年間収支」で計算します。この式は、「去年の年末までに貯めた貯蓄を今年1年かけて運用し、今年の年末に、運用して増やした貯蓄と今年の年間収支を足し合わせる」という意味です。

 

簡易版で自分でシミュレーション

下の画像をクリックすると、別ウインドウで拡大表示されます。画像をPCに保存→印刷をして、使ってください。パソコンでエクセルが使える方は、自分で簡単な表を作ったほうが使いやすいと思います。上昇率の計算が難しい人は、上昇率を無視してシンプルに記入してみてください。

未来家計簿を作ってみよう

未来家計簿を作ってみよう


■予定を書き入れる
まずは、今後の予定を書き入れましょう。その予定のためにいくらお金がかかるかというのも書いておきます。年齢は「その年に、誕生日が来たら○○歳になる」という年齢を記入しておくと混乱しないですみます。

■今年の収入と支出を記入する
収入は手取り額を書きます。見込み額でかまいません。

家計簿をつけていないから支出が分からないという人は、貯蓄額から逆算します。昨年の年末時点の貯蓄額と、去年の年末時点の貯蓄額を比べ、その差額が去年1年間で貯蓄できた額(=去年の年間収支)です。去年の収入から、去年1年間で貯蓄できた額を引くと、「去年、使ってしまった金額」がわかります。これが、去年の支出額です。

家族が増えたなどの変化がなければ、去年の支出額と今年の支出はだいたい同じと考えていいでしょう。去年、車を買った旅行に行ったなどの大きな出費があったならば、その分を除いた金額を「今年の生活費」と考えましょう。

■来年以降の収入と支出を記入する
収入はあまり上がらないという、厳しめの見積りをしておいてもいいでしょう。何歳でいくらアップするだろうという見込みがあるなら、アップさせた額を記入します。

支出は、生活費は今年の額をベースに。大きな支出は、一番上の家族の予定の欄を見て、記入していきます。

■年間収支
「年間収支=収入 - 支出」です。各年、計算します。

■貯蓄残高
まず、去年の年末時点の貯蓄額を調べます。それを今年1年間運用(預金や投資)した場合の金額を出します。それに、今年の年間収支を足します。

「今年の貯蓄残高 = 去年の貯蓄残高×(1+運用利率)+ 今年の年間収支」

例えば去年年末に貯蓄が100万円あり、そのほとんどを金利1%程度の定期預金にしていて、今年の年間収支が100万円という場合は、
「100万円×1.01+100万円」で、今年の年末時点の貯蓄残高は201万円になります。

この計算を毎年分、繰り返します。ここだけちょっとめんどくさいですね。でも、貯蓄残高の推移が一番大事ですから、頑張って!

 

年間収支と貯蓄残高をチェック!

表の作成、お疲れ様です! シミュレーションの結果は、いかがでしたか?

大きな買い物をする年は、年間収支がマイナスになって当たり前です。そういう年のために、前々から貯蓄をしていくわけです。でも、年間収支がマイナスの年が3年以上連続したり、1年おきくらいで何回も続いたりするのは要注意です。

年間収支がマイナスの年は、貯蓄を取り崩していくことになります。貯蓄が底をつきそうな気配はありませんか? 少しずつでも増えていればいいのですが、だんだん減って100万円を切るようなら、対策が必要です。もちろん残高マイナスは、赤信号です!

 

とるべき対策1

年間収支の赤字が続いたり、貯蓄が底をつきそうになる原因はなんでしょうか。

まず、家族の予定の欄を見てみてください。子どもの進学と車の購入などが重なっていませんか?5年ごとに買い換えている車を7年間乗るようにしてはどうでしょうか。新車ではなく中古も検討して、支出を抑えましょう。エクセルで表を作った方は、予定の変更を行って何度もシミュレーションしてみてください。出来そうにないほどの節約を前提にしてシミュレーションを繰り返しても意味がありませんので、現実的な範囲で支出を工夫しましょう。

収入を増やすことを考えるのも大切です。妻も外で働くことを検討するのも一案です。

 

とるべき対策2

運用利率のアップを考えます。預貯金のみの方は、投資信託などを取り入れて、2%、3%の運用を目指すことを検討してみるのです。

1ページ目の見本の表の「貯蓄残高」の欄を見てください。運用利率1%の場合と、3%、5%の場合を比べてみると、お金の増え方がまったく異なることがわかります。この表を10年後、20年後まで作ってみると、貯蓄残高の差は数百から数千万円まで広がります。毎年5%での運用はたやすくはありませんので、3%くらいを目標にしてみるとよいと思います。

 

金融機関のサービスを利用しよう

金融機関でも、このようなシミュレーションを行なってくれるところが増えています。いくつかの条件を入力すると、自動的に90歳くらいまでの表が出来たりします。遠い未来については実情と大きくかけ離れているでしょうから参考程度にとどめるとして、子どもの教育費や住宅ローンの返済など、近い将来の支出に耐えられるかどうかを確認することは出来ます。

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